こんにちはユキドケです。
今回は、グローバル化について話をします。
グローバル化と販売
グローバル化を行うと他国との貿易が増えていきます。
つまり、自国の商品を他国に買ってもらえるようになります。
また、他国の良い商品や自国で生産できない商品を買えるようになります。
同時に商品だけでなく世界の資本も入ってきて資金調達に有利になります。
反面、他国の人が会社の役員になったり買収したり出来るようになります。
こういった貿易が活発になる事で国同士の結びつきも深まります。
労働者と価格競争
他国の商品を買えるようになると価格競争が促進されます。
つまり、安い労働力を使える国は安く商品を提供できるので有利になる訳です。
日本でも、工場の海外移転が進みました。
国内の工場からすると仕事が来なくなり苦しいですが、メーカーからすると海外の労働力を使わないと価格競争力が無くなり競合他社に勝てなくなってしまいます。
グローバル化と生産国
先程は価格面での話でしたがコストだけでなく品質という部分も問われます。
地政学的な問題や給与的な問題など様々なことを考慮してコストと品質が最も適した国で生産されるようになるといわれています。
産業の空洞化
先程までの話ではグローバル化すると最も適した国で生産がされる様になるという話でした。
しかし、このグローバル化が進むと国内で生産する事が非効率な産業は潰れていってしまいます。
いわゆる「産業の空洞化」という問題です。
リスク分散
グローバル化で色々な国と取引をしているとリスク分散が効きます。
どこかの国で問題が発生して飢饉が発生してしまった場合でも他の国から輸入する事でカバーできる訳ですね。
日本のシーレーン
ここまでの話では、グローバル化の基本的な部分を話してきました。
ここからは、問題となっていた産業の空洞化について考えていきたいと思います。
産業の空洞化はその国が貿易を行えている間は大きな問題にはなりにくいです。
しかし、日本の場合は貿易をする航路に地政学的な問題を抱えています。
日本の主な貿易はマラッカ海峡ルートを使います。
日本の貿易はタンカーを使った海路で行われている訳です。
そして、そのマラッカ海峡ルートには「台湾」があり「中国」との衝突が起こるのではないかと言われています。
また、「中国」は同時に「フィリピン」とも問題を起こしています。
日本側は、マラッカ海峡ルートが使えなくなっても現在大型タンカーが使っているロンボク海峡ルートを使う事で貿易できるのではないかと考えていますがこちらも「フィリピン」と近いのは怖いですね。
日本の自給率
次に、航路が使えなくなるなどの問題で貿易が出来なくなった場合について考えます。
貿易が出来なくなると自国生産で様々な物を賄う必要があります。
その際に食糧危機などの自給率問題が出てきます。
食糧自給率(カロリーベース):38%(2021年度)
化学肥料自給率:0%(2023年まで)
種子自給率:10%以下(2020年度)
飼料自給率:25%(2021年度)
エネルギー自給率:12.1%(2019年度)
金属鉱物自給率:50.2%(2018年度)
木材自給率:41.1%(2021年度)
食糧自給率をカロリーで見ると38%しかない訳ですね。
こうなると貿易が出来なくなると厳しそうですよね。
また、
化学肥料の自給率0%
種子自給率10%以下
飼料自給率:25%
これでは、国内の食糧自給率を増やすのは難しく増やしたところで貿易が止まると作れなくなってしまう可能性も高いです。
エネルギー自給率12.1%
この数字も大変で現在の生産活動には多かれ少なかれ電気が使われています。
その電気が生産できないのは致命的です。
戦争をするにも食糧やエネルギーを使う訳ですから「シーレーン問題」がいかに重要か分かると思います。
日本の貿易
日本は沢山の物を輸入していることが分かりました。
輸入するには、お金を払う必要がある訳ですが海外との貿易は黒字なのでしょうかそれとも赤字なのでしょうか。
2011年くらいまでは黒字でしたがその後大きく赤字になり2017年辺りに大きく戻して以降は黒字と赤字を行ったり来たりしていますね。
次に輸入を見ていきます。
2014年辺りで天井を付けてその後は少し下がったところでウロウロしています。
では次に輸入している物の割合を見ていきます。
鉱物性燃料:23%
電気機器:15%
一般機械:10%
化学製品:10%
原料別製品:9%
食料品:9%
原料品:6%
輸送用機器:4%
その他:14%
先程問題になっていた食糧も全体でみると9%でそれ以上に輸入している物も多いですね。
もちろん、値段で見ているので食糧と違い自給率の多い物もあるとは思いますが貿易が出来なくなった時にこれらの製品が入ってこなくなるのは怖いですね。
食糧問題
先程は食糧自給率はカロリーベースで38%と低いと言ってきましたが
反面「日本は農業大国なんだ」という意見もあります。
なぜかというと
食糧自給率を生産額ベースでみると63%(2021年度)でその生産額は9.9兆円と世界でも9番目に多い価値を生み出しているからです。
カロリーベースで38%の日本製が全体の63%の利益を出しているという事はつまり日本の製品は非常に付加価値が高いという事です。
ブランド米やブランド牛、ブランドイチゴなど高くて良い商品を作って売っていますよね。
しかし、同時に同じ農家でも稼げている人達(高付加価値化や大規模化など)と稼げない人達で分かれているともいわれています。
日本の農業はこんな感じになっています。
とはいえ
「カロリーが足りないと飢え死にするじゃないか」
という意見も最もです。
上記で語った
化学肥料の自給率0%
種子自給率10%以下
飼料自給率:25%
この自給率で食糧自給率を上げるのは難しいという話をしていましたが
国内でどうにかしようという動きも出てきています。
しかし、それだけでは無く「食糧廃棄問題」こちらに目を向ける事も重要です。
なぜかというと
日本の食糧廃棄率は世界3位だからです。
カロリーベースの食糧自給率が低い訳ですから
沢山の食糧を輸入して沢山の食糧を廃棄している訳です。
1位が中国で2位がアメリカなので先進国になると廃棄率が増えるのかもしれませんがとはいえ貧困で食糧難な人たちがいる中で必要ない程輸入するのは直していかなければいけません。
また、直すことで必要な食糧の量が減れば日本の為にもなります。