製造業が国を豊かにする!?世界の工場の変化[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、世界の工場について話をします。

 

 

世界の工場の変化

まずは、ざっくりと世界の工場の変化を振り返ってみます。

初めて世界の工場といわれたのは、19世紀のイギリスでした。

 

19世紀も後半になるとドイツやアメリカが生産能力を伸ばします。

第一次世界大戦後は、イギリスに変わりアメリカが世界の中心になります。

 

20世紀後半になると日本が出てきて物作り大国になります。

 

20世紀の終わり頃から中国が発展します。

米中摩擦が発生した事により脱中国の流れが出てくるようになり「インドが次の世界の工場になるのでは?」といわれるようになりました。世界の工場の変化

世界の工場(イギリス)

世界に先駆けて産業革命を行ったイギリスは外国との国際貿易を通して輸入した物の加工を行い輸出する「世界の工場」として経済を発展させていきます。
世界の工場(イギリス)

世界の工場(アメリカ)

19世紀後半になるとアメリカやドイツが急速に生産力を伸ばします。

その後、第一次世界大戦によりイギリスが衰退しアメリカが世界の中心になります。
世界の工場(アメリカ)

世界の工場(日本)

米ソ冷戦が始まると朝鮮特需やベトナム特需など戦地への補給物資を求められる様になります。

そんな中、補給拠点となったのが日本でした。

工業が復興しつつある中、外国からの技術獲得からの技術革新、内需拡大により高度経済成長を成し遂げます。
世界の工場(日本)

世界の工場(中国)

1980年から経済開放政策を進めました。

税金が優遇される経済特区の存在や安くて豊富な労働者により外国の企業や工場、資金を呼び込み発展しました。
世界の工場(中国)

世界の工場(インド)

2018年頃の米中対立から脱中国の流れが始まりました。

そこで、労働人口が多く賃金も安いインドに注目が集まってます。

 

次の世界の工場候補として投資も盛んになっています。
世界の工場(インド)

GDPランキング

世界の工場として生産能力を増やした国は2024年現在も高いGDPを維持しています。

 

最初の世界の工場イギリス

それを追い越したアメリカ、ドイツ

その後に出てきた日本、中国

将来の世界の工場を期待されるインド

 

これらの国がGDPの上位になっています。

 

1位アメリ

2位中国

3位ドイツ

4位日本

5位インド

6位イギリス

GDPランキング

なぜ世界の工場は切り替わるのか

国際収支の発展段階説では国を6つの段階に分けます。

 

融資を受けてこれから発展しようとしている「未成熟な債務国」

融資を受けて発展した「成熟した債務国」

発展後に受けた融資を返済する「債務返済国」

債務を返済し他国に融資を始める「未成熟な債権国」

所得が増えて競争力が低下、他国への融資額が増えて利子所得が増える「成熟した債権国」

より競争力が低下し貸し付けていた融資による所得に頼る「債権取崩し国」

この様に変化していくといわれています。

ポイントは国が発展していく過程で給料が増えて他国との価格競争が不利になっていく部分です。

 

日本でも中国に製造拠点が移っていく過程で労働者や物の安さがポイントになっていました。

 

国際収支の発展段階説についてより詳しく知りたい方はこちら

また、世界の工場を出来るだけの労働人口も必要になります。

労働人口が多い人口ボーナス期である事も重要だといわれています。

 

米国債投資における為替ヘッジ問題[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、債券投資における為替ヘッジの話をします。

 

事前に金利について知っておくとより理解出来ると思います。

 

 

債券投資とは

債券というのは

①お金を貸す

②貸している間、利子を得る

③期限が来たら貸したお金が返還される

 

という投資のことです。

借り手は国だったり会社だったり個人が住宅ローンで借りる事もあります。

リスクはお金の返済が出来なくなった場合に損をしてしまう事です。

 

なので信用の大きい国の借金は低金利で会社は信用が少なくなる分大きな金利でリターンも大きくなります。
債券投資

また、債券は期限が来る前に市場で売ることも出来ます。

市場の売買で

価格が上がると金利が下がり

価格が下がると金利が上がります。

 

これを利用して売買で儲ける投資家もいます。

国債券の為替ヘッジありとなし

外国の債券には「為替ヘッジあり」とついた商品があります。

 

外国に投資する場合、円をその国の通貨に変えて債券を買い

売った後に海外通貨を円に戻す

という事をするので

 

円安になると海外通貨から円に戻す時により多くの円を受け取れて

円高になると海外通貨から円に戻す時に少ない円しか受け取れなくなってしまいます。

 

「為替ヘッジあり」の商品はこういった為替リスクを減らしてくれます。

※完全に無くすことはできません。
外国債券の為替ヘッジありとなし

ヘッジコス

ここまでの話を聞くと

「為替ヘッジありの商品であれば為替リスクをほぼ無視して海外の高金利債券に投資できてお得!!」

となってしまう人も少なくないと思います。

 

しかし、「為替ヘッジあり」商品にはヘッジをする為のコスト「ヘッジコスト」が必要になります。

「ヘッジコスト」は、自国と投資対象国の短期金利(2年国債)の差額を必要とします。

 

日本はマイナス金利

米国などは、2024年現3月現在4%を超える高金利

です。

 

この差分が「ヘッジコスト」として要求されます。
ヘッジコスト

また、米国では現在「逆イールド」が発生していて長期債よりも短期債の金利の方が高い状態になっています。

 

この状態で「ヘッジコスト」を支払った上で高金利を取るのは現実的ではありません。
逆イールド

金利が欲しいのであれば「為替ヘッジ」をやめて「為替リスク」を受け入れる事になります。

利下げ時の価格変動

では「為替ヘッジあり」商品はどの様に使えば良いのでしょうか。

ポイントは「債券の値動き」にあります。

 

中央銀行が短期国債金利を下げる場合

他の国債社債モーゲージ債(住宅ローン)などの金利も一緒に下がり債券価格が上がります。

同時に金利が下がる事でその国の通貨価値が下がりやすくなります。

※日本はマイナス金利なので同時に利下げが起こる事は無いと想定しています。

 

つまり、債券価格上昇時は同時に通貨価値の下落が発生しやすいので

「為替ヘッジなし」だと債券価格の上昇による利益を十分に得ることが出来ないのです。

 

こういった利下げ時の値幅を取るような投資は「為替ヘッジあり」に利点があるように思えます。

利下げ時の価格変動

資産取崩し時の出口戦略!!2つの4%ルールについて[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、資産の取崩し戦略の話をします。

 

資産形成に関してはiDeCoやNISAがオススメです。

資産の取崩しについてはこちらもオススメです。

 

 

4%定額取崩し

4%ルールには、定額取崩し型と定率取崩し型の2つがあります。

定額取崩し型は引退時の資産の4%を毎年取崩す方法です。

 

資産価値が上下してもその時の資産額に関わらず引退時の4%を取崩します。4%定額取崩し

トリニティスタディの研究結果

4%定額取崩し型は30年以上資産が残る可能性が非常に高いといわれています。

トリニティスタディの研究結果では

 

S&P連動ファンド50%と米適格社債50%のポートフォリオを年率4%で取り崩した場合35年後に資産が残っている確率が96%だとしています。

 

ちなみに対象期間は1926~2014年の間です。
fトリニティスタディの研究結果

96%の確率で資産が残るのは素晴らしい確率ですが、反対にいえば残りの4%は残らないということになります。

 

取崩し金額を抑えるか追加の現金を用意できるようにしておくことでより長い期間資産を残せるようになるのでそういったことも考えておきましょう。

4%定率取崩し

次に定率取崩し型の説明をします。

こちらは、現在の資産から4%を定期的に取崩す方法です。

 

現在の資産価値の変動に合わせて取崩す金額が上下します。

資産価値が低い時は取崩し額も低くなってしまいます。
4%定率取崩し

株式、券権の平均リターン

定額取崩し型の根拠は、平均リターンからインフレ率分を割り引いた分までなら取崩せるという理論になります。

 

株式と債券の平均リターンは

株式100%の平均リターン:7%

債券100%の平均リターン:4%

株式50%債券50%の平均リターン:5.5%

 

想定インフレ率は1.5%

 

株式50%債券50%の平均リターンである5.5%からインフレ率1.5%を引いた4%までは取崩せるということです。
株式、券権の平均リターン

資産取崩し時の出口戦略!!バケツ戦略について[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、資産の取崩し戦略の話をします。

 

資産形成に関してはiDeCoやNISAがオススメです。

資産の取崩しについてはこちらもオススメです。

 

 

資産形成期と取崩し期の下落リスク

収入を投資する資産形成期であれば相場が大きく下落しても収入で生活できます。

また、長期に右肩上がりの相場であれば良い買い場になってくれるので問題はあまりありません。

 

しかし、資産から生活資金を用意する資産の取崩し期の下落は本来よりも安い価格で資産を売却しなくてはいけなくなりリスクが高いです。

本来であれば、30年持つはずの資産がもっと早く枯渇してしまう事になりかねず予定が大きく狂ってしまいます。
資産形成期と取崩し期の下落リスク

バケツ戦略

先程のリスクに対して投資の世界では取崩し戦略がいくつか考案されています。

その一つがバケツ戦略です。バケツ戦略

バケツ戦略では、資金を3つに分けます。

 

①短期バケツ(2年分程度の生活資金)

生活資金を取り出して使うバケツです。

現金や短期債など価値の変動が低くすぐに消費に回しやすい低リスク低リターン商品を持ちます。

 

②中期バケツ(7年分の生活資金)

短期バケツが減った時に補充する役割として使うバケツです。

長期国債REIT、ディフェンシブ系の株などインフレ負けしないような中リスク中リターン商品を持ちます。

 

③長期バケツ(残りの資金)

相場が好調で中期バケツが枯渇している時に補充する役割として使うバケツです。

株など資産を増やしていけるような高リスク高リターン商品を持ちます。

 

相場の下落時は短期バケツと中期バケツで生活して下落の激しい長期バケツの損切りを防ぎます。

バケツ戦略メリット、デメリット

バケツ戦略のメリットは

暴落時を想定して下落の少ない短期バケツを用意しているので生活資金への影響が軽微です。

また、資産に債券や現金が入っていることで資産全体の上下が少なくなり安定します。

 

反対にデメリットは

10年以上の生活資金を確保しておかなくてはならない為ハードルが高いです。

また、資産に債券や現金を入れることにより長期の投資パフォーマンスが低下します。
バケツ戦略メリット、デメリット

金利と景気の相関、逆相関[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、景気と金利の話をします。

 

 

セクターローテーションで考える景気と金利

セクターローテーションでは相場を

 

景気が良く金利が高くなる「業績相場」

金利が高く景気が悪くなる「逆金融相場」

景気が悪く金利が低くなる「逆業績相場」

金利が高く景気が良くなる「金融相場」

 

に分ける考え方があります。f:id:Yukidoke:20240205220619j:image

より詳しく知りたい方はこちら

株と債券の逆相関

株と債券は、お互いに補完し合う関係にあるといわれています。

 

何故かというと景気が悪くなり株が下落する局面では利下げをして経済の後押しを行うようになります。

利下げをすると債券価格が上がります。

 

逆に景気が良くなり株が大きく上がると利上げをして経済の勢いを抑えるようになります。

利上げをすると債券価格が下がります。

 

このように片方が下がる時にもう片方が上がる関係にあるので投資をする際に株と債券の量を調整する事でリスクコントロールを行うことがある訳です。

 

債券について詳しく知りたい場合はこちら

株と債券の相関

先程は、株と債券は逆に動くという話をしました。

しかし、セクターローテーションの「金融相場」「逆金融相場」ではその限りではありません。

 

「金融相場」は金利が低い事によって景気が良くなり株が上がりやすい状態です。

金利が低いので債券価格も高いです。

「逆金融相場」は金利が高い事によって景気が悪くなり株が下がりやすい状態です。

金利が高いので債券価格も低いです。

 

この事から金利が先行して株が後追いする金融系の相場では株と債券が同時に同じ方向に動きやすいです。

 

逆に株が先行して大きく動き金利が反対方向に圧力をかける業績系の相場では反対方向に動きやすくお互いを補完するように動いてくれます。

貿易と進化圧の話[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、貿易と進化圧の話をします。

 

 

商品の魅力と進化圧

消費者は同じ商品であればより魅力の高い商品を好みます。

この魅力というのは商品の性能や機能面だけでなく商品の値段も含まれます。

 

逆に魅力が少ない商品は売れなくなり企業利益が減ることにより進化圧がかかります。

新しい機能や性能を追加するイノベーション

製造コストを下げる製造段階のイノベーションが必要になります。
魅力と進化圧

イノベーションについてはこちら

途上国と進化圧

先程の話では値段も魅力に含まれるという話でした。

という事は、同じものを同じ条件で作る場合給料の低い途上国での生産が有利になります。

 

輸送費に関しては大量生産し大量輸送する事で一個当たりの送料を減らす事で対応します。

大量輸送

途上国が優位なので先進国側には進化圧がかかります。

途上国では作れない様な高付加価値品や自国の利点を生かした方向で戦う事が求められます。
途上国と進化圧

大量生産についてはこちら

労働のコモディティ化と価格決定力

付加価値が高い高度な技能が必要な労働も製造工程のイノベーションで簡略化すると途上国でも製造が可能になります。

 

すると安く製造することが出来る様になる為、価格が下がります。

こうなる事で企業は価格決定能力を失い物を作っているにも関わらず高く売ることが出来なくなります。

 

こうなると売り上げが下がるので株価にも下落圧力がかかります。

労働のコモディティ化と価格決定力

商品のブランド化

ユーザーに対して好きになってもらったり

「カレーといえば○○」

という様な当たり前の状態にしたり

「○○の車(バッグ)は凄い」

みたいに憧れの商品にすることで他の商品では替えが効かない特別な商品にすることが出来ます。

自由貿易と保護貿易の話[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、貿易について話をします。

 

 

自由貿易

他国間の物やサービスの取引に対する政府の介入を制限して自由に貿易を行えるようにしようという考え方です。

貿易を行う事で競争が激しくなり成長を促すことになります。

また、効率的に生産できる国と貿易する事でより安く物が手に入るようになります。
自由貿易

自由貿易の成り立ち

イギリスにおいて「重商主義」という

輸入を減らして輸出を増やし金を集めよう

といった考えをしていました。

 

それに対して「アダム・スミス」が国際貿易における自由放任主義を主張しました。

また「リカード」により自由貿易の利点が説明されたことでイギリス主導で自由貿易が始まります。

自由貿易の成り立ち

保護貿易

輸入規制や関税引き上げなどで自国の産業保護や成長を目指す考え方です。
保護貿易

自由貿易に対するリストの主張

イギリス主導で自由貿易が広まっていく中、ドイツでは工業化が遅れていました。

このまま自由貿易を始めてもドイツの市場が安価なイギリス製品に埋め尽くされ自国産業が育たない恐れがありました。

 

そんな中、ドイツの経済学者のリストが後進工業国が自国産業を育てるには保護貿易が必要だと主張しました。
自由貿易に対するリストの主張

世界恐慌ブロック経済

ウォール街の株価暴落から始まった世界恐慌から各国が自国産業保護の観点から貿易に高関税をかけたり数量規制をかけたりしました。

 

これが後に自国と植民地間での貿易をしていくブロック経済になっていき世界が分断されていきます。
世界恐慌~ブロック経済

戦後~WTO

保護主義第二次世界大戦の一因だとされて戦後は自由貿易を進めていくことになります。

そんな中、貿易ルールの整備や低関税化を進める「GATT」が出来ました。

 

しかし、米国の貿易赤字拡大や途上国との格差拡大等で保護主義的な政策がとられることもありました。

 

後に「WTO」体制になり自由貿易がより促進されるようになります。
戦後~WTO

IT革命と自由貿易

1995年以降インターネットが商業化してIT革命が起きました。

アメリカが中心に起こったこのIT革命は自由貿易が推進されていたことで瞬く間に世界に広がっていきました。

 

しかし、「GAFAM」などの大手IT企業はアメリカから生まれており

他の国はアメリカのシステムを使い自国のIT企業を大きく育てる事が出来ていません。
IT革命と自由貿易

IT革命と保護貿易

アメリカのIT革命に対して保護貿易的な行動をとった国もあります。

 

しかし、最先端のシステムが使えない事により生産性が周りの国よりも低下してしまうという問題が発生しました。

 

そんな中、中国においては情報に強い規制をかけてアメリカ企業の進出を難しくし国内にはITの推進をして自国のIT産業を育てました。
IT革命と保護貿易

貿易と補助金

自国企業へ補助金を出すと優位な条件で貿易することが出来ます。

 

しかし、自由貿易による効率化が阻害される恐れがある為WTOではルールを定め規制がかけられています。

 

ちなみに補助金は国が負担している為、企業の競争が優位になる半面国の負担は増える事になります。
貿易と補助金

ダンピング

自国で販売する価格よりも安価に海外で販売する行為です。

場合によっては減価以下の安価で販売する行為を指してダンピングという事もあります。

 

ダンピングは「不公正な取引方法」として独占禁止法で禁止されています。

いくつか種類があり

 

国内の売れ残りを海外に安く売る「散発的ダンピング

安価で競合を排除し市場を支配した後、値上げする「略奪的ダンピング

一貫して国内価格よりも安く輸出する「継続的ダンピング

通貨安による安売りの「為替ダンピング

低賃金労働による「ソーシャルダンピング」

 

などがあります。
ダンピング