こんにちはユキドケです。
債券価格と利率の関係
まずは、債券について理解をしましょう。
債券は、国や企業等がお金を借りた時に発行されます。
そして、その債券を買った人が定期的に金利を貰い最終日に貸していた分のお金が返されます。
借金が経済に及ぼす影響についてはこちらで書いています。
次に金利の決定方法を見ていきます。
債券は初めにお金を貸す際に定期的に支払われる金額が設定されます。
この時に決定された金額は変動しません。
では、なぜ国債金利が上がった(下がった)という様な話が出るかというとそれは債券自体の価格が変動するからです。
支払われる金額が100円
債券価格が1万円
の場合利率は1%ですが
価格が2万円になると0.5%に変動するという形です。
利率が下がった時に中央銀行が売って上げたり
逆に利率が上がった際は買って下げるという風にコントロールしています。
国債と社債の金利関係
では次にこの2つの金利関係はどの様になっているかを見ていきます。
国が発行している為、最も信頼性が高い事が特徴です。
なので、基本的には国債と同じ条件で他の債券を発行しても
「条件が同じなら安全な国債でいいじゃん」
となってしまいます。
つまり、国債以外の債券はリスクがある分追加でリターン(金利)を用意する事になります。
このリターンをクレジットスプレットといいます。
上記の画像にある様にアメリカの債券を安全な順に並べると
「米国債」「米地方政府債」「投資適格社債」「ジャンク債(リスクが高い社債)」となっておりクレジットスプレットも同じ順番で増えていきます。
短期債と長期債
また、リスクは貸出期間によっても変動します。
アメリカ国債は1ヶ月債、3ヶ月債、6ヶ月債、1年債、2年債、5年債、10年債、30年債など様々あります。
基本的には貸出期間が短い程低リスクだといわれています。
貸している期間が短い方が将来の予測も付きやすいですし、もっと良い投資先が見つかった場合そこに乗り換える事も出来ます。
こういった臨機応変な対応は長期債では難しいです。
また、経済が混乱している時には短期金利と長期金利の差が逆転する逆イールドが発生する事があります。
この逆イールドを景気後退や株式調整のシグナルとして注目している人もいます。
モーゲージ債(アメリカ)
次に住宅ローンを使った債券、モーゲージ債を見ていきます。
まず、家を建てたい人が住宅ローンを組みます。
その後、彼らの債券をまとめて政府系証券発行体へ渡し証券化。
市場で投資家へ売る。
という流れになります。
先程の話の流れから考えると個人の住宅ローンは社債よりも更にリスクが大きそうに思えますが、証券化する際に政府系の機関が入り元利払い(定期的な支払)を保証してくれているので国債に次ぐ位の信頼性があるという意見もあります。
では、信頼性があるから金利は低いのかというとそうでもありません。
住宅ローンは、将来支払う金額を早めに返すことで金利の支払回数を減らす事が出来ます。
この当初考えていたよりも金利が払われないという「期限前償還リスク」があるのでその分金利が多く設定されています。
金利と景気
「リスクのある株や不動産を買わなくても安全な国債で十分利益が出るよね」
といった感じです。
また、金利が上がる事で社債やモーゲージ債の金利も上がってしまい借金をするのが厳しくなり倒産やリストラのリスクが発生します。
景気と会社格付け
景気が悪くなると企業は売り上げを維持するのが困難になります。
そうすると会社の状態が悪くなり格付け会社は会社のランクを下げます。
会社のランクが下がると借金をする際に「ジャンク債」扱いになり債券の金利も多くなってしまいます。
米国の利上げと世界
米国債が利上げをすると世界の様々な国も利上げします。
利上げをしないと通貨価値が落ちてしまうからです。
ここら辺の話はこの記事で説明しています。
簡単に言うと
「金利の低い国でお金を借りて高い国に貸す」
事で差分の利益が出るからです。
話を戻して
米国で利上げをする=世界が利上げをする
という事は
世界の社債、株、不動産などの資産が下がり世界的な不況になる訳です。