こんにちはユキドケです。
今回は、ヒルデブラントの段階説について話をします。
この記事を見る前に経済学の流れを知っておくとより理解が深まります。
ヒルデブラントの経済発展段階説
ヒルデブラントは経済発展を「交換手段(貨幣の発展)」の変化によって3つの段階に分類しました。
①現物経済
貨幣を使わず物々交換または、自給自足用の生産を行います。
②貨幣経済
商品と貨幣を交換する経済で市場が発展し都市化が進みます。
③信用経済
銀行・証券市場・金融資本が発達し手形や小切手などの決済が行われます。
交換手段と社会の変化
ヒルデブラントは、交換手段を通して社会の変化についても語っています。
①現物経済
生産物、労働力、土地が取引の対象になります。
生産をする為に地主は労働者を労働者は土地を求めます。
地主は能力に関係なく代々相続され労働者は契約により土地に縛られます。
また、この段階では長期間の貯蓄や移動のできる資産が労働者にはありません。
②貨幣経済
金や銀の登場により生産者は余剰生産分を貨幣に変えることで容易に貯蓄、富の移動を行うことができます。
また、賃金を蓄えることで資本家が現れ地主の土地独占もなくなっていきます。
資本家は資産を増やすため有能な労働者を雇入れ生産性の向上を目指すようになります。
自由な競争社会が発生する一方、労働者同士の競争が激化します。
資本家からすると競争力の低い労働者は別の労働者と替えの利く存在になり強いものと弱いものの格差が開きます。
③信用経済
銀行などが相手の信用に対してお金を貸すようになれば勤勉で能力のある労働者は融資を受けて起業し資本家と同じ土俵で闘うことができるようになります。
このように個人の信用が貨幣と同じ価値を持つようになります。
銀行は資金を集め必要なところへ再分配するようになります。
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