こんにちはユキドケです。
今回は、金利とインフレと景気について話をします。
金利と景気
まずは、金利と景気の関係性について書きます。
一般的に金利というのは
利率が下がるとお金を借りやすくなって景気にいい影響があるといわれています。
反対に
利率が上がるとお金を借りにくくなって景気に悪い影響があるといわれています。
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名目金利と実質金利
それに対して実質金利は名目金利からインフレ分を除外したものになります。
ここでは、金利の状態を見る際にインフレ率が非常に重要な役割を持つ事が分かってもらえれば十分です。
インフレと景気
次にインフレと景気について書きます。
インフレは
①物価が上がる
②会社の収益が上がりやすくなる
③給料が上がる
④物価が上がるので安い内に買いたくなる
という流れで景気が回りやすくなります。
逆にデフレは
①物価が下がる
②会社の収益が下がりやすくなる
③給料が下がる(雇用が減り間接的に支払う給料が下がる場合も)
④物価が下がるので安くなってから買いたくなる
という流れで景気が回りにくくなります。
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金利とインフレと信用創造
その際に
金利がインフレ率を下回ると信用創造(借金)が進み経済が周りやすくなるといわれています。
例(値段100万、金利3%、インフレ5%)
お金を1年貯めて購入する場合:105万円(5万円分インフレ)
借金して1年後に返す場合:103万円(3万円分金利)
1年間お金を貯めて買うよりも借金して金利を払ったとしても今すぐ買った方がお得な訳ですね。
逆に金利がインフレ率を上回っていると借金をするよりも1年後に買った方がお得になります。
信用創造についてはこちら
デフレと信用創造
先程は
インフレ率>金利
だと信用創造が進みやすいという話をしました。
しかし、日本の場合長い間デフレというインフレ率がマイナスの状態でした。
金利はマイナスになるとお金を貸す側が損をしてしまうので中央銀行の様に通貨の発行が出来る機関以外は基本的に貸してくれません。
つまりインフレ率<金利
という信用創造が進まない状態になっているにも関わらず限界まで金利を下げても景気を刺激するには足らないといった状況にあった訳です。
この様にデフレの状態だと金利操作による経済コントロールが機能不全になることがあります。
信用創造のサイクルは景気サイクルと密接に関わっているといわれているのでここが機能不全になると景気を上向かせるのも大変になります。
信用サイクルについてはこちら
現代の金融政策
現代の金融政策では、経済に+も−も与えない金利状態を中立金利というものが設定されています。
アメリカでは、だいたい2.5%前後ぐらいだといわれています。
その中立金利よりも金利を低くすると経済が成長しやすくなり逆に高くすると成長できなくなります。
金利と成長率の関係は
金融緩和時は
中央銀行が操作するFFレート(短期債)<10年債(長期債)<中立金利<名目潜在成長率(経済成長+インフレ)
中立金利よりもFFレートを下げることにより名目潜在成長率を高めようとしている訳です。
引き締め時は
中立金利<名目潜在成長率(経済成長+インフレ)<10年債(長期債)<中央銀行が操作するFFレート(短期債)
名目潜在成長率を下げるためにFFレートを大きく増やしています。
本来、長期金利は短期金利よりもリスクがある分高い金利になりますが、引き締め時は長く引き締め続けることはないだろうという思惑から短期金利の手前で買いが入りやすくなります。
中立時は
中立金利≒FFレート<10年債<名目潜在成長率
理想的な名目潜在成長率なのでFFレートを中立レベルにしています。