こんにちはユキドケです。
今回は、貿易について話をします。
自由貿易
他国間の物やサービスの取引に対する政府の介入を制限して自由に貿易を行えるようにしようという考え方です。
貿易を行う事で競争が激しくなり成長を促すことになります。
また、効率的に生産できる国と貿易する事でより安く物が手に入るようになります。
自由貿易の成り立ち
イギリスにおいて「重商主義」という
輸入を減らして輸出を増やし金を集めよう
といった考えをしていました。
それに対して「アダム・スミス」が国際貿易における自由放任主義を主張しました。
また「リカード」により自由貿易の利点が説明されたことでイギリス主導で自由貿易が始まります。
保護貿易
輸入規制や関税引き上げなどで自国の産業保護や成長を目指す考え方です。
自由貿易に対するリストの主張
イギリス主導で自由貿易が広まっていく中、ドイツでは工業化が遅れていました。
このまま自由貿易を始めてもドイツの市場が安価なイギリス製品に埋め尽くされ自国産業が育たない恐れがありました。
そんな中、ドイツの経済学者のリストが後進工業国が自国産業を育てるには保護貿易が必要だと主張しました。
世界恐慌~ブロック経済
ウォール街の株価暴落から始まった世界恐慌から各国が自国産業保護の観点から貿易に高関税をかけたり数量規制をかけたりしました。
これが後に自国と植民地間での貿易をしていくブロック経済になっていき世界が分断されていきます。
戦後~WTO
保護主義が第二次世界大戦の一因だとされて戦後は自由貿易を進めていくことになります。
そんな中、貿易ルールの整備や低関税化を進める「GATT」が出来ました。
しかし、米国の貿易赤字拡大や途上国との格差拡大等で保護主義的な政策がとられることもありました。
後に「WTO」体制になり自由貿易がより促進されるようになります。
IT革命と自由貿易
1995年以降インターネットが商業化してIT革命が起きました。
アメリカが中心に起こったこのIT革命は自由貿易が推進されていたことで瞬く間に世界に広がっていきました。
しかし、「GAFAM」などの大手IT企業はアメリカから生まれており
他の国はアメリカのシステムを使い自国のIT企業を大きく育てる事が出来ていません。
IT革命と保護貿易
アメリカのIT革命に対して保護貿易的な行動をとった国もあります。
しかし、最先端のシステムが使えない事により生産性が周りの国よりも低下してしまうという問題が発生しました。
そんな中、中国においては情報に強い規制をかけてアメリカ企業の進出を難しくし国内にはITの推進をして自国のIT産業を育てました。
貿易と補助金
自国企業へ補助金を出すと優位な条件で貿易することが出来ます。
しかし、自由貿易による効率化が阻害される恐れがある為WTOではルールを定め規制がかけられています。
ちなみに補助金は国が負担している為、企業の競争が優位になる半面国の負担は増える事になります。
ダンピング
自国で販売する価格よりも安価に海外で販売する行為です。
場合によっては減価以下の安価で販売する行為を指してダンピングという事もあります。
ダンピングは「不公正な取引方法」として独占禁止法で禁止されています。
いくつか種類があり
国内の売れ残りを海外に安く売る「散発的ダンピング」
安価で競合を排除し市場を支配した後、値上げする「略奪的ダンピング」
一貫して国内価格よりも安く輸出する「継続的ダンピング」
通貨安による安売りの「為替ダンピング」
低賃金労働による「ソーシャルダンピング」
などがあります。