資産取崩し時の出口戦略!!2つの4%ルールについて[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、資産の取崩し戦略の話をします。

 

資産形成に関してはiDeCoやNISAがオススメです。

 

 

4%定額取崩し

4%ルールには、定額取崩し型と定率取崩し型の2つがあります。

定額取崩し型は引退時の資産の4%を毎年取崩す方法です。

 

資産価値が上下してもその時の資産額に関わらず引退時の4%を取崩します。4%定額取崩し

トリニティスタディの研究結果

4%定額取崩し型は30年以上資産が残る可能性が非常に高いといわれています。

トリニティスタディの研究結果では

 

S&P連動ファンド50%と米適格社債50%のポートフォリオを年率4%で取り崩した場合35年後に資産が残っている確率が96%だとしています。

 

ちなみに対象期間は1926~2014年の間です。
fトリニティスタディの研究結果

96%の確率で資産が残るのは素晴らしい確率ですが、反対にいえば残りの4%は残らないということになります。

 

取崩し金額を抑えるか追加の現金を用意できるようにしておくことでより長い期間資産を残せるようになるのでそういったことも考えておきましょう。

4%定率取崩し

次に定率取崩し型の説明をします。

こちらは、現在の資産から4%を定期的に取崩す方法です。

 

現在の資産価値の変動に合わせて取崩す金額が上下します。

資産価値が低い時は取崩し額も低くなってしまいます。
4%定率取崩し

株式、債券の平均リターン

定額取崩し型の根拠は、平均リターンからインフレ率分を割り引いた分までなら取崩せるという理論になります。

 

株式と債券の平均リターンは

株式100%の平均リターン:7%

債券100%の平均リターン:4%

株式50%債券50%の平均リターン:5.5%

 

想定インフレ率は1.5%

 

株式50%債券50%の平均リターンである5.5%からインフレ率1.5%を引いた4%までは取崩せるということです。
株式、券権の平均リターン

他の投資戦略

伝統的な投資手法である株式60債券40ポートフォリオを知りたい方はこちら

債券が多めで安全性の高い投資であればオールシーズンズポートフォリオがあります。

投資を経験したことない方向けに無リスク資産を多めに組み込む戦略であればカウチポテトポートフォリオです。

暴落時に安心感があります。

攻めた投資をしたいのであればコアサテライト戦略です。

資産の多くの部分は分散の効いたインデックスで安定運用し少数の資産で個別株などの攻めの投資を行います。

ウォーレン・バフェットがオススメしていたポートフォリオはこちら

年齢に合わせてのリスクを調整するならライフサイクル別アセットミックスです。

株式などの資産は経済や金利の状況によって買われやすいモノ買われにくいモノが変わってきます。

そういった状況を考慮した投資をしたいのであればこちらの記事がオススメです。

資産が十分に増えたあとは、出口戦略を考えた投資を考えるのも良いかもしれません。

日本の年金ポートフォリオについてはこちら

通貨ごとの金利差を利用した投資手法はこちら

資産取崩し時の出口戦略!!バケツ戦略について[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、資産の取崩し戦略の話をします。

 

資産形成に関してはiDeCoやNISAがオススメです。

 

 

資産形成期と取崩し期の下落リスク

収入を投資する資産形成期であれば相場が大きく下落しても収入で生活できます。

また、長期に右肩上がりの相場であれば良い買い場になってくれるので問題はあまりありません。

 

しかし、資産から生活資金を用意する資産の取崩し期の下落は本来よりも安い価格で資産を売却しなくてはいけなくなりリスクが高いです。

本来であれば、30年持つはずの資産がもっと早く枯渇してしまう事になりかねず予定が大きく狂ってしまいます。
資産形成期と取崩し期の下落リスク

バケツ戦略

先程のリスクに対して投資の世界では取崩し戦略がいくつか考案されています。

その一つがバケツ戦略です。バケツ戦略

バケツ戦略では、資金を3つに分けます。

 

①短期バケツ(2年分程度の生活資金)

生活資金を取り出して使うバケツです。

現金や短期債など価値の変動が低くすぐに消費に回しやすい低リスク低リターン商品を持ちます。

 

②中期バケツ(7年分の生活資金)

短期バケツが減った時に補充する役割として使うバケツです。

長期国債REIT、ディフェンシブ系の株などインフレ負けしないような中リスク中リターン商品を持ちます。

 

③長期バケツ(残りの資金)

相場が好調で中期バケツが枯渇している時に補充する役割として使うバケツです。

株など資産を増やしていけるような高リスク高リターン商品を持ちます。

 

相場の下落時は短期バケツと中期バケツで生活して下落の激しい長期バケツの損切りを防ぎます。

バケツ戦略メリット、デメリット

バケツ戦略のメリットは

暴落時を想定して下落の少ない短期バケツを用意しているので生活資金への影響が軽微です。

また、資産に債券や現金が入っていることで資産全体の上下が少なくなり安定します。

 

反対にデメリットは

10年以上の生活資金を確保しておかなくてはならない為ハードルが高いです。

また、資産に債券や現金を入れることにより長期の投資パフォーマンスが低下します。
バケツ戦略メリット、デメリット

他の投資戦略

伝統的な投資手法である株式60債券40ポートフォリオを知りたい方はこちら

債券が多めで安全性の高い投資であればオールシーズンズポートフォリオがあります。

投資を経験したことない方向けに無リスク資産を多めに組み込む戦略であればカウチポテトポートフォリオです。

暴落時に安心感があります。

攻めた投資をしたいのであればコアサテライト戦略です。

資産の多くの部分は分散の効いたインデックスで安定運用し少数の資産で個別株などの攻めの投資を行います。

ウォーレン・バフェットがオススメしていたポートフォリオはこちら

年齢に合わせてのリスクを調整するならライフサイクル別アセットミックスです。

株式などの資産は経済や金利の状況によって買われやすいモノ買われにくいモノが変わってきます。

そういった状況を考慮した投資をしたいのであればこちらの記事がオススメです。

資産が十分に増えたあとは、出口戦略を考えた投資を考えるのも良いかもしれません。

日本の年金ポートフォリオについてはこちら

通貨ごとの金利差を利用した投資手法はこちら

金利と景気の相関、逆相関[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、景気と金利の話をします。

 

 

セクターローテーションで考える景気と金利

セクターローテーションでは相場を

 

景気が良く金利が高くなる「業績相場」

金利が高く景気が悪くなる「逆金融相場」

景気が悪く金利が低くなる「逆業績相場」

金利が高く景気が良くなる「金融相場」

 

に分ける考え方があります。f:id:Yukidoke:20240205220619j:image

より詳しく知りたい方はこちら

株と債券の逆相関

株と債券は、お互いに補完し合う関係にあるといわれています。

 

何故かというと景気が悪くなり株が下落する局面では利下げをして経済の後押しを行うようになります。

利下げをすると債券価格が上がります。

 

逆に景気が良くなり株が大きく上がると利上げをして経済の勢いを抑えるようになります。

利上げをすると債券価格が下がります。

 

このように片方が下がる時にもう片方が上がる関係にあるので投資をする際に株と債券の量を調整する事でリスクコントロールを行うことがある訳です。

 

債券について詳しく知りたい場合はこちら

株と債券の相関

先程は、株と債券は逆に動くという話をしました。

しかし、セクターローテーションの「金融相場」「逆金融相場」ではその限りではありません。

 

「金融相場」は金利が低い事によって景気が良くなり株が上がりやすい状態です。

金利が低いので債券価格も高いです。

「逆金融相場」は金利が高い事によって景気が悪くなり株が下がりやすい状態です。

金利が高いので債券価格も低いです。

 

この事から金利が先行して株が後追いする金融系の相場では株と債券が同時に同じ方向に動きやすいです。

 

逆に株が先行して大きく動き金利が反対方向に圧力をかける業績系の相場では反対方向に動きやすくお互いを補完するように動いてくれます。

貿易と進化圧の話[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、貿易と進化圧の話をします。

 

 

商品の魅力と進化圧

消費者は同じ商品であればより魅力の高い商品を好みます。

この魅力というのは商品の性能や機能面だけでなく商品の値段も含まれます。

 

逆に魅力が少ない商品は売れなくなり企業利益が減ることにより進化圧がかかります。

新しい機能や性能を追加するイノベーション

製造コストを下げる製造段階のイノベーションが必要になります。
魅力と進化圧

イノベーションについてはこちら

途上国と進化圧

先程の話では値段も魅力に含まれるという話でした。

という事は、同じものを同じ条件で作る場合給料の低い途上国での生産が有利になります。

 

輸送費に関しては大量生産し大量輸送する事で一個当たりの送料を減らす事で対応します。

大量輸送

途上国が優位なので先進国側には進化圧がかかります。

途上国では作れない様な高付加価値品や自国の利点を生かした方向で戦う事が求められます。
途上国と進化圧

大量生産についてはこちら

近隣窮乏化政策

先程の安く作ることで他国よりも有利にビジネスを行うことができる点から自国通貨を安くして他国の需要を奪う「近隣窮乏化政策」を取る国も出てきました。

 

この政策は自国はより多くの生産をすることができますが周りの国の需要を奪ってしまう為、他国の経済が悪化してしまうといわれています。

近隣窮乏化政策

労働のコモディティ化と価格決定力

付加価値が高い高度な技能が必要な労働も製造工程のイノベーションで簡略化すると途上国でも製造が可能になります。

 

すると安く製造することが出来る様になる為、価格が下がります。

こうなる事で企業は価格決定能力を失い物を作っているにも関わらず高く売ることが出来なくなります。

 

こうなると売り上げが下がるので株価にも下落圧力がかかります。

労働のコモディティ化と価格決定力

商品のブランド化

ユーザーに対して好きになってもらったり

「カレーといえば○○」

という様な当たり前の状態にしたり

「○○の車(バッグ)は凄い」

みたいに憧れの商品にすることで他の商品では替えが効かない特別な商品にすることが出来ます。

自由貿易と保護貿易の話[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、貿易について話をします。

 

 

自由貿易

他国間の物やサービスの取引に対する政府の介入を制限して自由に貿易を行えるようにしようという考え方です。

貿易を行う事で競争が激しくなり成長を促すことになります。

また、効率的に生産できる国と貿易する事でより安く物が手に入るようになります。
自由貿易

自由貿易の成り立ち

イギリスにおいて「重商主義」という

輸入を減らして輸出を増やし金を集めよう

といった考えをしていました。

 

それに対して「アダム・スミス」が国際貿易における自由放任主義を主張しました。

また「リカード」により自由貿易の利点が説明されたことでイギリス主導で自由貿易が始まります。

自由貿易の成り立ち

保護貿易

輸入規制や関税引き上げなどで自国の産業保護や成長を目指す考え方です。
保護貿易

自由貿易に対するリストの主張

イギリス主導で自由貿易が広まっていく中、ドイツでは工業化が遅れていました。

このまま自由貿易を始めてもドイツの市場が安価なイギリス製品に埋め尽くされ自国産業が育たない恐れがありました。

 

そんな中、ドイツの経済学者のリストが後進工業国が自国産業を育てるには保護貿易が必要だと主張しました。
自由貿易に対するリストの主張

世界恐慌ブロック経済

ウォール街の株価暴落から始まった世界恐慌から各国が自国産業保護の観点から貿易に高関税をかけたり数量規制をかけたりしました。

 

これが後に自国と植民地間での貿易をしていくブロック経済になっていき世界が分断されていきます。
世界恐慌~ブロック経済

戦後~WTO

保護主義第二次世界大戦の一因だとされて戦後は自由貿易を進めていくことになります。

そんな中、貿易ルールの整備や低関税化を進める「GATT」が出来ました。

 

しかし、米国の貿易赤字拡大や途上国との格差拡大等で保護主義的な政策がとられることもありました。

 

後に「WTO」体制になり自由貿易がより促進されるようになります。
戦後~WTO

IT革命と自由貿易

1995年以降インターネットが商業化してIT革命が起きました。

アメリカが中心に起こったこのIT革命は自由貿易が推進されていたことで瞬く間に世界に広がっていきました。

 

しかし、「GAFAM」などの大手IT企業はアメリカから生まれており

他の国はアメリカのシステムを使い自国のIT企業を大きく育てる事が出来ていません。
IT革命と自由貿易

IT革命と保護貿易

アメリカのIT革命に対して保護貿易的な行動をとった国もあります。

 

しかし、最先端のシステムが使えない事により生産性が周りの国よりも低下してしまうという問題が発生しました。

 

そんな中、中国においては情報に強い規制をかけてアメリカ企業の進出を難しくし国内にはITの推進をして自国のIT産業を育てました。
IT革命と保護貿易

貿易と補助金

自国企業へ補助金を出すと優位な条件で貿易することが出来ます。

 

しかし、自由貿易による効率化が阻害される恐れがある為WTOではルールを定め規制がかけられています。

 

ちなみに補助金は国が負担している為、企業の競争が優位になる半面国の負担は増える事になります。
貿易と補助金

ダンピング

自国で販売する価格よりも安価に海外で販売する行為です。

場合によっては減価以下の安価で販売する行為を指してダンピングという事もあります。

 

ダンピングは「不公正な取引方法」として独占禁止法で禁止されています。

いくつか種類があり

 

国内の売れ残りを海外に安く売る「散発的ダンピング

安価で競合を排除し市場を支配した後、値上げする「略奪的ダンピング

一貫して国内価格よりも安く輸出する「継続的ダンピング

通貨安による安売りの「為替ダンピング

低賃金労働による「ソーシャルダンピング」

 

などがあります。
ダンピング

何で低金利なのに借金が増えない?金利とインフレと信用創造の話[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、金利とインフレと景気について話をします。

 

 

金利と景気

まずは、金利と景気の関係性について書きます。

一般的に金利というのは

利率が下がるとお金を借りやすくなって景気にいい影響があるといわれています。

反対に

利率が上がるとお金を借りにくくなって景気に悪い影響があるといわれています。
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より詳しく知りたい方はこちら

名目金利と実質金利

次に名目金利と実質金利についてです。

 

名目金利は借金をする際に提示される金利です。

それに対して実質金利名目金利からインフレ分を除外したものになります。

 

ここでは、金利の状態を見る際にインフレ率が非常に重要な役割を持つ事が分かってもらえれば十分です。

名目金利と実質金利

インフレと景気

次にインフレと景気について書きます。

 

インフレは

①物価が上がる

②会社の収益が上がりやすくなる

③給料が上がる

④物価が上がるので安い内に買いたくなる

 

という流れで景気が回りやすくなります。

 

逆にデフレは

①物価が下がる

②会社の収益が下がりやすくなる

③給料が下がる(雇用が減り間接的に支払う給料が下がる場合も)

④物価が下がるので安くなってから買いたくなる

 

という流れで景気が回りにくくなります。

インフレと景気

より詳しく知りたい方はこちら

金利とインフレと信用創造

中央銀行金利を上下させる事で景気をコントロールします。

 

その際に

金利がインフレ率を下回ると信用創造(借金)が進み経済が周りやすくなるといわれています。

 

例(値段100万、金利3%、インフレ5%)

お金を1年貯めて購入する場合:105万円(5万円分インフレ)

借金して1年後に返す場合:103万円(3万円分金利)

 

1年間お金を貯めて買うよりも借金して金利を払ったとしても今すぐ買った方がお得な訳ですね。

 

逆に金利がインフレ率を上回っていると借金をするよりも1年後に買った方がお得になります。
金利とインフレと信用創造

信用創造についてはこちら

デフレと信用創造

先程は

インフレ率>金利

だと信用創造が進みやすいという話をしました。

 

しかし、日本の場合長い間デフレというインフレ率がマイナスの状態でした。

金利はマイナスになるとお金を貸す側が損をしてしまうので中央銀行の様に通貨の発行が出来る機関以外は基本的に貸してくれません。

 

つまりインフレ率<金利

という信用創造が進まない状態になっているにも関わらず限界まで金利を下げても景気を刺激するには足らないといった状況にあった訳です。

デフレと金利

この様にデフレの状態だと金利操作による経済コントロールが機能不全になることがあります。

 

信用創造のサイクルは景気サイクルと密接に関わっているといわれているのでここが機能不全になると景気を上向かせるのも大変になります。

 

信用サイクルについてはこちら

現代の金融政策

現代の金融政策では、経済に+も−も与えない金利状態を中立金利というものが設定されています。

アメリカでは、だいたい2.5%前後ぐらいだといわれています。

 

その中立金利よりも金利を低くすると経済が成長しやすくなり逆に高くすると成長できなくなります。

 

金利と成長率の関係は

 

金融緩和時は

中央銀行が操作するFFレート(短期債)<10年債(長期債)<中立金利<名目潜在成長率(経済成長+インフレ)

緩和時の金利

中立金利よりもFFレートを下げることにより名目潜在成長率を高めようとしている訳です。

 

引き締め時は

中立金利<名目潜在成長率(経済成長+インフレ)<10年債(長期債)<中央銀行が操作するFFレート(短期債)

引き締め時の金利

名目潜在成長率を下げるためにFFレートを大きく増やしています。

本来、長期金利短期金利よりもリスクがある分高い金利になりますが、引き締め時は長く引き締め続けることはないだろうという思惑から短期金利の手前で買いが入りやすくなります。

 

中立時は

中立金利≒FFレート<10年債<名目潜在成長率

中立時の金利

理想的な名目潜在成長率なのでFFレートを中立レベルにしています。

需要曲線と供給曲線と制約の話[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、需要曲線と供給曲線と制約について話をします。

最後にインフレとデフレと絡めた話もあります。

 

 

需要曲線と供給曲線

モノを買う側(需要)は

値段が安くなると買いたい人が増えて

値段が高くなると買いたい人が減ります。

 

逆にモノを売る側(供給)は

値段が安くなると作りたい人が減って

値段が高くなると作りたい人が増えます。

 

これを曲線で示したモノを「需要曲線」と「供給曲線」といいます。

 

そして、この2つが交差した部分を「均衡点」といいます。

値段と供給量はこの均衡点に向かっていくとされています。
需要曲線と供給曲線

需要と均衡点(需要曲線シフト)

上では「均衡点」に向かって動くと言いましたが

曲線がずれる事により「均衡点」が移動する事もあります。
需要と均衡点(需要曲線シフト)

需要曲線の場合影響があるのは
①所得(増えると右に減ると左に動く)

所得税(増えると左に減ると右に動く)

③商品の流行(流行ると右に廃れると左に動く)

④代わりになる製品(値段が上がると右に下がると左に動く)

⑤補完財(値段が上がると左に下がると右に動く)

 

※補完財はパンに対するジャムの様に相互に補完し合って効用を得られるものです。

 

需要曲線が右に移動すると「均衡点」が右上にずれて値段が高くなり販売量も増えます。

 

逆に左に移動すると「均衡点」が左下にずれて値段が低くなり販売量が減ります。

供給と均衡点(供給曲線シフト)

次は供給側の移動を見てみます。供給と均衡点(供給曲線シフト)

供給曲線の場合影響があるのは
①技術革新(右に動く)

②原材料(増えると左に減ると右に動く)

法人税(増えると左に減ると右に動く)

④生産設備(増えると右に減ると左に動く)

 

供給曲線が右に移動すると「均衡点」が右下にずれて値段が安くなり販売量が増えます。

 

逆に左に移動すると「均衡点」が左上にずれて値段が高くなり販売量が減ります。

間接税と均衡点(供給曲線シフト)

消費税等の間接税が上がると商品価格に上乗せする事になります。

間接税と均衡点(供給曲線シフト)
供給曲線が上に移動すると「均衡点」が左上にずれて値段が高くなり販売量が減ります。

供給制約

基本的には「均衡点」が右に移動すると供給量が増えます。

しかし、人材不足や物流の停滞などで供給が増えなくなる事があります。
供給制約

需要限界とシェアの奪い合い

基本的には「均衡点」が右にいどうすると購入量が増えます。

しかし、十分に商品が行きわたっている場合、購入量が増えない可能性があります。

 

食べ物で例えると値段を下げても既におなか一杯食べているならそれ以上の購入は不要になる訳です。

需要限界

場合によっては他の代替品からシェアを奪うことはできます。

パンが値下げすることでご飯から顧客を奪うというイメージです。

シェアの奪い合い

しかし、食べる量が増えずに値下げを行うという事は食品業界全体の売り上げが下がる事になります。

 

売り上げが下がると企業の利益が圧迫され支払える給料が減ります。

これは、雇用減少や低賃金労働が生まれる原因になります。

 

また、日本では今後、人口減少により需要が減っていく事が予想されますので安い物を多く売るという商売が難しくなる事が予想されます。
人口減少

インフレ&デフレと企業競争

先程は、薄利多売は業界の売り上げを縮小させるといいましたが

「価格競争」を否定している訳ではありません。

 

競争がより良いサービスや商品を生む力になるのもその通りだと思います。

しかし、一般的な「インフレ国家」における価格競争と「デフレ国家」における価格競争は意味が異なると思っています。

 

インフレの場合、物価が上がるのが当たり前です。

周りが2%インフレしている中でいかに値段を上げない様にするかが求められます。

この場合「市場規模の拡大」と「価格競争」が両立できます。

 

しかし、デフレの場合、物価が下がります。

周りが1%デフレしている中で更に2%、3%の値下げが求められます。

この場合「市場規模の拡大」が困難になります。(値下げ分販売量が増え続けるなら可能かも?)
インフレ&デフレと企業競争

デフレの場合、企業の利益が下がり支払う給料が下がります。

 

すると需要曲線が左に移動して価格、販売量の両方が下がり更に企業の利益を減らします。

需要曲線

そして更に需要曲線が左に移動してといったループになってしまいます。

 

ケインズは、この様な不況の時は足りない需要を政府の財政政策によって埋めることで正常化しようとしていました。
インフレ&デフレ