南海泡沫事件について[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、バブルの語源である南海泡沫事件について話をします。

南海泡沫事件ってなに?

 

時代背景

南海泡沫事件は18世紀のイギリスで発生しました。

当時のイギリスは度重なる戦争で借金が膨らんでいました。

 

そこで、イギリス政府は南海会社を作り借金の肩代わりをさせようとします。

南海泡沫事件

南海会社は政府からの借金を肩代わりする代わりに以下の利点を得ます。

①借金の5~6%の利息を政府から毎年貰える。

②南米との独占貿易権の獲得

 

しかし、この南米での貿易はうまくいかず利益がでませんでした。

その後、宝くじを販売することで何とか利益を作りますが政府の借金を肩代わりするには心もとない金額でした。

南海会社が株式を売るまでの流れ

そこで、当時フランスで行われていた株式と国債を交換することによって借金を減らすという方法に目をつけます。

額面等価交換と市場での取引

南海会社が行った株式と国債の交換を説明する前に

株式の額面について説明します。

 

昔、流通していた額面株式には株式を最初に発行した時の金額を株券に記入していました。

そして、それとは別に市場で決まる株価も存在しています。

なので

 

額面が100

株価が200

 

ということもありえました。

額面株式

南海会社はこの価格差を利用します。

まず、政府に国債を買い取った際にその額面と同じだけの株式を発行できるように交渉しました。

 

額面100の債権を

額面100の株式に変える訳です。

 

しかし、株式の取引価格は常に変化しているので

市場では

 

株価200の南海株式1枚と

額面100の債権2枚が等価になることもありえます。

 

すると

手に入れた

額面100の債券2枚で

株価200の株式2枚発行でき

株式2枚で今度は4枚の債券を購入する

 

ということができてしまいます。

現代の投資家であれば株式を新規発行したら価値が薄まり価格が下がるというのが常識ですが売る相手は素人です。

南海会社の株式

これを懸念して額面で等価交換するなら

市場価格も固定すべきだという意見も出ましたが結局、市場価格は変動することになります。

分割払いと担保を使った投資

先程、市場価格を固定すべきという意見があったという話をしましたが

南海会社はそういった事も考え政治家や貴族への賄賂として南海会社の株式が上がると儲かるストックオプションを配っていたといわれています。

 

これにより政治家、貴族を巻き込んだ

株価を爆上げさせて額面等価交換で債権買い取り大作戦が

始まります。

 

株価を上げるためにはそれだけ購入してもらわなくてはいけません。

そこで通常の人にも現金で株式を購入してもらう為に動きます。

 

南海会社の株式を担保に入れることで融資を受けてそのお金でまた株を買わせる。

政府への賄賂と信用を使った株買い

南米貿易で儲かるという話をして期待を煽ったり

分割払いで少額から投資を勧めたり色々しました。

泡沫会社の誕生とバブル崩壊

南海会社が株式で大量の資金を得ていると噂になるとそれを真似した会社が現れました。

その会社は後に泡沫会社といわれます。

 

彼らは業務内容が無茶苦茶にも関わらず新聞で投資を求めていました。

そういった株にもドンドン資金が集まります。

 

そして、会社によってはそのまま集めた資金を持って逃げ出すこともありました。

泡沫会社の誕生

これを受けて南海会社は資金が別会社に流れるのを止めるために

政治家に圧力をかけます。

市民からも苦情が来ていたこともあり規制がかかることになります。

 

その後、泡沫会社の株式は大きく下落することになります。

南海会社としてはこれで自分の会社の株式に資金が戻ると思っていましたがそう上手くはいきません。

 

なぜなら投資家は南海会社の株を担保に泡沫会社の株を買っていたからです。

この場合、泡沫会社の株で損失を出すと

銀行は担保にしている南海会社の株を売って資金を作り借金を返すことになります。

 

したがって南海会社の株も泡沫会社の株につられて下がることになります。

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そして株が下がり南海会社の株を売っても借金が返せなくなると銀行は資金を回収できずに倒産することになります。

他のバブル

18世紀オランダで起こった最初のバブルです。