完全競争市場と不完全競争市場における競争(クールノー競争、ベルトラン競争、シュタッケルベルグ競争)について[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、市場の分類と競争モデルについて話をします。

 

需要と供給について話をするのでこちらの記事を先に読むことをお勧めします。

 

 

完全競争市場と不完全競争市場

完全競争市場は需要と供給によって商品の数量と価格が決定します。

しかし、この市場が成立するためには条件があります。

 

①売り手と買い手が多数存在する

②商品が同質で差別化できない

③売り手と買い手双方に商品に対する情報格差が無い

④誰もが価格決定能力を持たず市場の需給が決める

⑤市場の入退出が容易

となります。

完全競争市場

現在の市場では、この5つの条件を満たさないことがあります。

特に参入障壁によって

⑤市場の入退出が容易

が満たされないことが多いです。

 

そういった市場を不完全競争市場といいます。

発生要因としては、

 

資源の独占により新規参入が困難

 

技術的優位による参入障壁

これは、特許や著作権などによりマネができないといったものも含みます。

 

政府規制による新規参入の阻止

 

規模の経済による資産が少ないものの足切り

設備投資の回収後に値下げすることで後発の設備投資回収を困難にする先行者利益

 

ネットワーク外部性が強い産業では、外部の生産が自社製品の優位性になるので積み重なると参入障壁になる

 

など様々あります。

不完全競争市場の発生

規模の経済についてはこちら

ネットワーク外部性についてはこちら

不完全競争市場にも分類があります。

 

①独占市場

企業数:1社

価格決定能力:大

 

②複占市場

企業数:2社

製品差別化:小

価格決定能力:中

 

③寡占市場

企業数:数社

製品差別化:中

価格決定能力:中

 

④独占競争市場

企業数:無数

製品差別化:大

価格決定能力:小

不完全競争市場の分類

複占市場、寡占市場における経済モデル

複占市場、寡占市場ではいくつかの経済モデルが存在します。

 

クールノーモデル

生産量で競争するモデルです。

差別化が難しい商品を扱います。

 

各企業はそれぞれ生産量を決定し結果全体の生産量が決まります。

決定は同時なので需要と相手企業の生産量を考えて生産量を決めます。

結果、最適な生産量を求めるナッシュ均衡に近づいていきます。

クルーノーモデル

シュタッケルベルグモデル

生産量で競争するモデルです。

差別化が難しい商品を扱います。

 

リーダー企業とフォロワー企業に分かれてリーダー企業が先に値段を決定します。

その後、フォロワー企業が生産量を決めます。

先に生産量を決めるリーダー企業に優位性があります。

シュタッケルベルグモデル

ベルトランモデル

価格で競争するモデルです。

差別化が難しい商品を扱います。

 

各企業はそれぞれ価格を決定して安い方が市場価格になります。

安い価格を提示した方が市場を独占できる為、価格競争が激化します。

 

相手の生産量をすべて奪う関係上、生産拡大が容易な市場で起きやすいといわれています。

また、不景気で消費者が安いものを求めて同時に仕事が少ないことで生産拡大が行える状況下で発生しやすいともいわれています。

ベルトランモデル