こんにちはユキドケです。
今回は、7月31日に行われた日銀利上げから始まった円高と日経急落について話をします。
円キャリー取引
まずは、日銀の利上げの前に起こっていた現象をみていきます。
米国を含めた世界は高インフレの対策として金利を高くしていました。
しかし、日本の場合はマイナス金利をゼロ金利にした程度で高い金利にすることはできていませんでした。
こうなると金利の低い国よりも高い国で貸した方が増えやすくなる為、円から外貨への変換が増えました。
また、金利が低いということはお金を借りる時の利子も低くなります。
なので、日本円を低金利で借りて外貨に変換して高金利で貸すという円キャリー取引やお金を借りて投資をする信用取引が増えていたといわれています。
また、FXではスワップポイントというものがあります。
その金利差分を受け取ることができます。
逆に円を買いドルを売る場合
その金利差分を支払うことになります。
これにより仮に円が安くてコレから円高になるとしても
金利差分以上に円高に動いてくれない場合ドル買いが儲かり円買いは損することになります。
これに加えて円安は国策というようなイメージもありかなり行き過ぎた円安になっていました。
金利についてはこちら
通貨の価値についてはこちら
通貨安と国民生活
先程は行き過ぎた円安になっていたという話をしました。
そして、その円安により輸入品の値段が上がり国民の実質賃金(給料からインフレ分を引いたもの)が過去最長で低下し続けていました。
給料の上昇もありましたがインフレに追いつけるほどの賃上げにはなりませんでした。
政府としては賃上げ要求をしながら財務相による為替介入を行っていましたが決定打には欠けていました。
結果として経団連や政治家などから利上げを促すような発言が出てくるようになります。
他にも金利が上がると得をする金融機関なども利上げに積極的だったといわれています。
日銀利上げと円キャリー崩壊
日銀の利上げ前は利上げは今回はないという意見が日本では主流でした。
そんな中、利上げが発表されました。
当日相場はアメリカの半導体の輸出規制を日本からのものは除外するという様な発表もあり株は堅調でした。
その後の記者会見で日銀は追加利上げを示唆する発言をしました。
その夜アメリカの経済指標が悪化して景気後退懸念が出ると景気を上向かせる為には利下げが来るだろうということで金利が低下しドルも低下しました。
また、中東での要人殺害などもあり相場は混乱します。
これらが重なり大幅な円高が起きたと思われます。
そして、大幅な円安は円キャリー取引で借金していたトレーダーに大きな赤字を与え強制決済によりさらなる売りを作ります。
更に円安は日本の輸出企業の業績にも大きな影響を与え株の暴落にも繋がります。
こちらでも信用取引をしていた人は強制決済が起きてさらに売り圧力になります。
こうなると借金による損失を別の資産の売却によって埋め合わせる必要が出てきます。
結果として何の関係も無いゴールドなどにも売りが飛び火してパニック相場になってしまいました。