こんにちはユキドケです。
今回は、需要曲線と供給曲線と制約について話をします。
最後にインフレとデフレと絡めた話もあります。
需要曲線と供給曲線
モノを買う側(需要)は
値段が安くなると買いたい人が増えて
値段が高くなると買いたい人が減ります。
逆にモノを売る側(供給)は
値段が安くなると作りたい人が減って
値段が高くなると作りたい人が増えます。
これを曲線で示したモノを「需要曲線」と「供給曲線」といいます。
そして、この2つが交差した部分を「均衡点」といいます。
値段と供給量はこの均衡点に向かっていくとされています。
需要と均衡点(需要曲線シフト)
上では「均衡点」に向かって動くと言いましたが
曲線がずれる事により「均衡点」が移動する事もあります。
需要曲線の場合影響があるのは
①所得(増えると右に減ると左に動く)
②所得税(増えると左に減ると右に動く)
③商品の流行(流行ると右に廃れると左に動く)
④代わりになる製品(値段が上がると右に下がると左に動く)
⑤補完財(値段が上がると左に下がると右に動く)
※補完財はパンに対するジャムの様に相互に補完し合って効用を得られるものです。
需要曲線が右に移動すると「均衡点」が右上にずれて値段が高くなり販売量も増えます。
逆に左に移動すると「均衡点」が左下にずれて値段が低くなり販売量が減ります。
供給と均衡点(供給曲線シフト)
次は供給側の移動を見てみます。
供給曲線の場合影響があるのは
①技術革新(右に動く)
②原材料(増えると左に減ると右に動く)
③法人税(増えると左に減ると右に動く)
④生産設備(増えると右に減ると左に動く)
供給曲線が右に移動すると「均衡点」が右下にずれて値段が安くなり販売量が増えます。
逆に左に移動すると「均衡点」が左上にずれて値段が高くなり販売量が減ります。
間接税と均衡点(供給曲線シフト)
消費税等の間接税が上がると商品価格に上乗せする事になります。
供給曲線が上に移動すると「均衡点」が左上にずれて値段が高くなり販売量が減ります。
供給制約
基本的には「均衡点」が右に移動すると供給量が増えます。
しかし、人材不足や物流の停滞などで供給が増えなくなる事があります。
需要限界とシェアの奪い合い
基本的には「均衡点」が右にいどうすると購入量が増えます。
しかし、十分に商品が行きわたっている場合、購入量が増えない可能性があります。
食べ物で例えると値段を下げても既におなか一杯食べているならそれ以上の購入は不要になる訳です。
場合によっては他の代替品からシェアを奪うことはできます。
パンが値下げすることでご飯から顧客を奪うというイメージです。
しかし、食べる量が増えずに値下げを行うという事は食品業界全体の売り上げが下がる事になります。
売り上げが下がると企業の利益が圧迫され支払える給料が減ります。
これは、雇用減少や低賃金労働が生まれる原因になります。
また、日本では今後、人口減少により需要が減っていく事が予想されますので安い物を多く売るという商売が難しくなる事が予想されます。
インフレ&デフレと企業競争
先程は、薄利多売は業界の売り上げを縮小させるといいましたが
「価格競争」を否定している訳ではありません。
競争がより良いサービスや商品を生む力になるのもその通りだと思います。
しかし、一般的な「インフレ国家」における価格競争と「デフレ国家」における価格競争は意味が異なると思っています。
インフレの場合、物価が上がるのが当たり前です。
周りが2%インフレしている中でいかに値段を上げない様にするかが求められます。
この場合「市場規模の拡大」と「価格競争」が両立できます。
しかし、デフレの場合、物価が下がります。
周りが1%デフレしている中で更に2%、3%の値下げが求められます。
この場合「市場規模の拡大」が困難になります。(値下げ分販売量が増え続けるなら可能かも?)
デフレの場合、企業の利益が下がり支払う給料が下がります。
すると需要曲線が左に移動して価格、販売量の両方が下がり更に企業の利益を減らします。
そして更に需要曲線が左に移動してといったループになってしまいます。
ケインズは、この様な不況の時は足りない需要を政府の財政政策によって埋めることで正常化しようとしていました。