欲求の分類(3大欲求、マレーの欲求リスト、マズローの欲求5段階説等)[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、欲求の分類について話をします。

 

こちらも同時に読むことで人間の理解がより深まります。

 

 

3つの3大欲求

一般的な3大欲求は

「食欲」「睡眠欲」「性欲」といわれています。

 

これの発展で

「睡眠欲」を「集団欲」にしたタイプ

「性欲」を「排泄欲」にしたタイプ

があります。
3つの3大欲求

マレーの欲求リスト

マレーは、欲求を生理的欲求11種類、社会的欲求28種類の合計39種類に分類しました。

 

生理的欲求(11種)

欠乏欲求系(4種)

吸気欲求、飲水欲求、食物欲求、感性欲求

 

膨張排泄系(4種)

性的欲求、授乳欲求、呼気欲求、排尿・排便欲求

 

回避系(3種)

毒性回避欲求、障害回避欲求、暑熱寒冷回避欲求

 

社会的欲求(28種)

物質系(5種)

獲得欲求、保存欲求、秩序欲求、保持欲求、構成欲求

 

野心、向上系(4種)

優越欲求、達成欲求、承認欲求、顕示欲求

 

防衛保身系(4種)

不可侵欲求、屈辱回避欲求、防衛欲求、中和欲求

 

支配、権力系(7種)

支配欲求、服従欲求、同化欲求、自立欲求、対立欲求、攻撃欲求、屈従欲求

 

禁止系(1種)

避難回避欲求

 

愛情系(4種)

親和欲求、排除欲求、養護欲求、救護欲求

 

遊戯系(1種)

遊戯欲求

 

情報系(2種)

認知欲求、証明欲求
マレーの欲求リスト

HARMの法則

人間の悩みを4種類(H,A,R,M)に分ける考え方です。

H(ヘルス)

 健康、美容、容姿

 

A(アンビション)

将来、夢、キャリア

 

R(リレーション)

人間関係、恋愛、結婚

 

M(マネー)

お金

HARMの法則

七つの大罪

キリスト教において陥ると地獄に落ちるとされています。

 

傲慢:他人よりも優れているという思い込み

強欲:強い欲望

嫉妬:他人を妬んだりして失敗を望むこと

憤怒:我を忘れるほどに怒ること

色欲:浮気や不倫などの欲望

暴食:必要以上の食事をすること

怠惰:働かない、自堕落
七つの大罪

ブッダの7大欲求

仏教においてブッダが説いたとされています。

 

食欲:食べたい

睡眠欲:眠りたい

性欲:交わりたい

生存欲:生きたい

怠惰欲:楽をしたい

歓楽欲:美しい音や絵を感じたい

承認欲:認められたい
ブッダの7大欲求

シックス・ヒューマン・ニーズ

アンソニー・ロビンズが欲求を6つに分類した考え方です。

「基本ニーズ(4種)」と「高次ニーズ(2つ)」に分かれています。

 

基本ニーズ

安定、愛・繋がり、変化、肯定

 

高次ニーズ

成長進化、貢献
シックス・ヒューマン・ニーズ

生命の8つの力

ドル∸・エリック・ホイットマンが欲求を8つに分類した考え方です。

生存欲、食欲、性欲、障害回避欲、優越欲、安全欲、承認欲、愛情欲

に分けられます。
生命の8つの力

人間の後天的9つの欲求

先程の「生命の8つの力」に対して後天的に獲得する欲求が存在するとして9つの欲求を紹介しています。

 

①能率的でありたい

②好奇心を満たしたい

③知識を収集したい

④清潔でありたい

⑤利便性を高めたい

⑥流行、美の表現

⑦節約して利益を得たい

⑧信頼性、高品質が欲しい

⑨掘り出し物が欲しい

 

というものです。

ちなみにこの9つの欲求は「生命の8つの力」よりも弱い欲求であるとされています。
人間の後天的9つの欲求

マズローの欲求5段階説+1

マズローは人間の欲求は5段階に分かれていて下の段階が満たされないと上の段階の欲求が現れないとされています。


(1)生理的欲求

食事、排せつ、睡眠などの人間が生きていく為の本能を示しています。 

 

個人的にはここにアドレナリン(脳内麻薬)などの摂取欲求が入るような気もしています。

依存症や中毒などの欲求ですね。

 

(2)安全欲求

身の危険から脱したいという欲求です。

 

(3)社会的欲求

集団に所属したい、仲間や家族を得たいという欲求です。

 

(4)承認欲求

他者に認められたい欲求です。

出世したいという欲求もここです。

 

(5)自己実現欲求

自身のなりたい自分になろうとする欲求です。

 

マズローはこの後更に6番目の段階もあるとしています。

(6)自己超越

自我を捨てて見返りを求めずにコミュニティの目的達成に動く状態としています。

マズローの欲求5段階説+1

アルダファーのERG理論

クレイトン・アルダファーはマズロー欲求段階説を改良して「ERG理論」を作り出しました。

 

段階は下から

生理的欲求や生存を求める「生存欲求」

人間関係に関する「関係欲求」

成長に関する「成長欲求」

に分けました。

 

こちらも基本的には下の欲求から求めます。

しかし、順番が逆になったり、同時に存在することもあるといわれています。
アルダファーのERG理論

進化心理学

人間の共通心理は進化の過程で獲得して現代まで残ったものと考えます。

そして、生物の最も強い目的は「子孫繁栄」であるともいっています。

 

子孫繁栄のためには

「繁殖」「生存」が重要でその為に様々な欲求が発生しているという考えです。
進化心理学

ケンリックの欲求ピラミッド

ケンリックは「進化心理学」を用いて「マズロー欲求段階説」を独自に再定義しました。

 

下から

①生理的欲求

②自己防衛欲求

③所属欲求

④地位尊敬欲求

⑤パートナー獲得

⑥パートナー維持

⑦子育て

となっています。

 

進化心理学」では、生物の最も強い目的は「子孫繁栄」としているので頂点に子育てがトップに来ている訳ですね。
ケンリックの欲求ピラミッド

人間の心理と考え方の流れと分類(無意識、欲求5段階説、類型論、特性論、社会的性格、エニアグラム、4分類)[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、人間の心理とその分析分類方法について話をします。

 

こちらも同時に読むことで人間の理解がより深まります。

 

 

 

フロイトの無意識

フロイトは人の心の中を3つに分けました。

 

外側から与えられる情報から快楽や欲望を生み出す「イド(エス)」

欲求や衝動をコントロール(抑える)する「超自我

「イド(エス)」と「超自我」から与えられる情報から判断をする「自我」

 

の3つです。

また、意識と無意識の区別もつけています。フロイトの無意識

「自我」「超自我」の一部だけが意識できる部分とされています。

その下の部分に前意識があって

「イド(エス)」と残りの「超自我」の部分が認識できない無意識だとされています。

ユングの無意識

ユングは「フロイトの無意識」から着想を得て独自の解釈をしています。

彼は人は

「意識」「個人的無意識」「集合的無意識」に分かれるといっています。

 

集合的無意識」は世界中の宗教から共通部分を見つけ出しました。

それにより人類には国境を越えて共通している何かがあるとして

それを「集合的無意識」と呼びました。
ユングの無意識

また、自我は意識の中の頂点部分に存在しているともいっています。

マズローの欲求5段階説+1

マズローは人間の欲求は5段階に分かれていて下の段階が満たされないと上の段階の欲求が現れないとされています。


(1)生理的欲求

食事、排せつ、睡眠などの人間が生きていく為の本能を示しています。 

 

個人的にはここにアドレナリン(脳内麻薬)などの摂取欲求が入るような気もしています。

依存症や中毒などの欲求ですね。

 

(2)安全欲求

身の危険から脱したいという欲求です。

 

(3)社会的欲求

集団に所属したい、仲間や家族を得たいという欲求です。

 

(4)承認欲求

他者に認められたい欲求です。

出世したいという欲求もここです。

 

(5)自己実現欲求

自身のなりたい自分になろうとする欲求です。

 

マズローはこの後更に6番目の段階もあるとしています。

(6)自己超越

自我を捨てて見返りを求めずにコミュニティの目的達成に動く状態としています。 

マズローの欲求5段階説+1

(1)(2)は物質的欲求といわれていて物や自身の体に関する部分です。

逆にそれより上は精神的欲求と言われています。

また、

(1)~(4)は欠乏欲求と言って満たされない部分を埋めようとする欲求になります。

その上は成長欲求で自身の成長に喜びを感じる段階です。

ユングの類型論

ユングは、欲望の方向と心の4つの機能で分類しました。

欲望の方向は「内向的」「外向的」

心の4つの機能は「思考」「感情」「感覚」「直観」

この掛け合わせで8種類に分類する考え方です。

ユングの類型論

マイヤーズ・ブリッグスの16タイプ

ユングの類型論」を発展させたものになります。

欲望の方向である「内向的」「外向的」

 

心の4つの機能を

①「感覚」「直観」

②「思考」「感情」

の2つに分けて

「感覚」×「思考」

「感覚」×「感情」

「直観」×「思考」

「直観」×「感情」

の4種類に分類しました。

 

更に

「判断型」と「知覚型」

を組み合わせて16分類にしました。

マイヤーズ・ブリッグスの16タイプ

クレッチマーの類型論

見た目からタイプを分類する考え方です。

「肥満型」「細長型」「闘士型」に分けられます。

 

「肥満型」の特徴は循環的、社交的、融通が利く、こだわらない

「細長型」の特徴は分裂気質、非社交的、無口、敏感鈍感の二面性

「闘士型」の特徴は粘着気質、几帳面、きれい好き、義理堅い

といわれています。
クレッチマーの類型論

シェルドンの類型論

こちらも「クレッチマーの類型論」と同じように見た目からタイプを分類する考え方です。

「内胚葉型(肥満型)」「外胚葉型(やせ型)」「中胚葉型(筋肉型)」に分けられます。

 

「内胚葉型(肥満型)」の特徴は内臓緊張、社交的、生活を楽しむ

「外胚葉型(やせ型)」の特徴は頭脳緊張型、非社交的、過敏

「中胚葉型(筋肉型)」の特徴は身体緊張型、活動的、自己主張

となっています。

シェルドンの類型論

シュプランガー類型論

こちらは、人間の特徴から6タイプに分ける方法です。

理論性を重んじて心理の追及が好きな「理論型」

経済的損得を重んじてお金が好きな「経済型」

美しさを重んじて感性で生きる「審美型」

社会的勝ち負けを重んじて権力が好きな「権力型」

協調性を重んじて仲間や愛情に生きる「社会型」

宗教的道徳心を重んじて精神世界に生きる「宗教型」

に分かれます。

シュプランガー類型論

オールポート、キャッテル特性論

オールポートは人の特性は

個人的な要因が大きい「独自特性」と

多くの人が持っている「共通特性」

に分けることが出来るとしています。

 

比較をする際は「共通特性」を比べる事で行います。

後にキャッテルが発展させて

 

独自特性には

分かりやすい「表面特性」と

「表面特性」の深い所にあり判別が困難な「根源特性」

に分けられるとしています。
オールポート、キャッテル特性論

アイゼンクの特性論

アイゼンクは人の行動は「習慣反応」や「特性」などの上位の要素から大きな影響を受けるとしています。

 

人には「類型」と言われる傾向があるとしていて

これは3つの要素でできています。

①内向or外向

神経症傾向

③精神病傾向

この度合いで「類型」が決まります。

 

この「類型」から影響を受けて「特性」が決まり

「特性」から「習慣反応」が決まり

「習慣反応」から「個別的反応」が決まる

としています。
アイゼンクの特性論

ゴールドバーグのビッグファイブ理論

この理論は5つの要素によって人を理解しようという考え方です。

要素は

①開放性

②精神安定性

③誠実性

④協調性

⑤外向性

質問などで5つのパラメーターの大きさを計る事でどういう人間なのかが分かります。

ゴールドバーグのビッグファイブ理論

リースマンの社会的性格

リースマンは人は大衆社会の変化により社会的性格を変化させるとしています。

 

大衆社会では孤独感を和らげるため群衆に迎合し個性や主体性を失っていくと考えていてその大衆社会によってどのように考え方が変化するのかを類型化しました。

 

「伝統指向型」

中世以前の社会では先祖からの伝統の継承が重要視されていました。

「内部指向型」

19世紀以前は自身の内面を重要視していました。

「他人指向型」

現代では他者やメディアに大きく影響を受けます。

 

また、多くの人に理解してもらうのが重要なので皆が理解できる様なコンテンツが誕生しやすいです。

 

反対に難しいコンテンツは廃れていきやすいです。
リースマンの社会的性格

エニアグラム

質問によって9つに分類する考え方です。

本能による影響が大きい

①改革

⑧挑戦

⑨平和

感情による影響が大きい

②親切

③達成

④個性

思考による影響が大きい

⑤研究

⑥真面目

⑦熱中

 

という風に分類できます。
エニアグラム

DISC理論

2つの軸によって4タイプに分類する考え方です。

①仕事重視で冷静or対人重視楽観的

②ハイペースで感情的orローペースで協力的

 

この軸で

積極的で勝気な「主導型」

社交的で朗らかな「感化型」

論理的で合理的な「慎重型」

協調があり実直な「安定型」

に分類されます。
DISC理論

ソーシャルスタイル理論

2つの軸によって4タイプに分類する考え方です。

①感情表現を控えるか表すか

②意見を言うか聞くか

 

この軸で

論理的で分析的な「アナリティカル」

現実的で成果主義な「ドライバー」

友好的で安定的な「エミアブル」

社交的で直観的な「エクスプレッシブ」

に分類されます。

ソーシャルスタイル理論

岡田斗司夫の欲求の4タイプ分類

2つの軸によって4タイプに分類する考え方です。

①集団的or個人的

②抽象的or具体的

 

この軸で

平和的で目立ちたがりな「注目型」

勝気で成果主義な「司令型」

真実や正義が好きで凝り性な「理想型」

理屈屋で論理的な「法則型」

に分類されます。岡田斗司夫の欲求の4タイプ分類

経済思想と学派の流れ(重商主義、重農主義、古典派経済学、社会主義、共産主義、新古典派、修正資本主義、新自由主義)[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、経済思想の流れについて話をします。

 

 

重商主義重農主義

16世紀から18世紀頃の経済では、貿易などを通して希少金属や財を蓄える重商主義が行われていました。

当時国はこの貿易に対して保護政策をしていました。

重商主義

この頃は「家内制手工業」という工業形態をとっており後に富を蓄えた人が設備投資をして従業員を雇う「工業制手工業(マニファクチュア)」が出てきます。

 

特にイギリスでは毛織物の需要が高まり農地を牧羊地としていく動きも出てきていました。
工業制手工業(マニファクチュア)

こういった流れに対して

ケネーが「重農主義」を唱えます。

 

農業だけが純生産物を作れるとし

重商主義保護貿易に反対をしていました。

重農主義
後に「産業革命」が起こり「工業制手工業(マニファクチュア)」から
機械を導入した工場が出来る様になっていきます。

資本主義

ここで、現在の資本主義の原形の様なものが出来ていきます。

①資本家が設備投資をする。

②労働者を雇い商品販売

③給料を払い残りは投資家の利益になる

 

この③の利益分配が後々問題視される様になっていきます。

アダムスミス(古典派経済学)

「経済学の父」ともいわれています。

彼の考え方は

①労働価値説

労働によって価値が生み出される。

沢山の労働力が必要な場合、価値が高いという考え方です。

 

②分業制

それぞれが得意な分野を伸ばして分業する事で生産性が上がる。

 

③経済的自由主義(レッセフェール)

経済は「神の見えざる手」によっていい感じになるので政府が何かをする必要はない。

政府は「外交、警察、軍」をやればいい。
アダムスミス(古典派経済学)

「神の見えざる手」とは何かというと

売り手側の高く売りたいという思いと

買い手側の安く買いたいという思いで

 

良い感じの値段に落ち着くという考え方です。

神の見えざる手

次に先程の「アダム・スミス」の後に出てきた古典派経済学者達も見ていきます。

「アダム・スミス」の後に出てきた古典派経済学者達

マルサス(人口論)

食糧の増加スピードに対して人口の増加スピードが速かった為、食糧危機を問題視していました。

なので、人口の抑制が必要。

しかし、それだけでは経済が増えないので一人当たりの消費増大によって経済を回すという考え方です。

 

ジョンス・チュワート・ミル

質的功利主義を唱えました。

物理的快楽よりも精神的快楽の方が尊いという考え方です。

同時に自由主義者でもあり他者に危害を加えない限り自由にして個性を伸ばすべきだといいます。

 

リガード(自由貿易)

彼の考えは「国際分業」により更に効率的な社会になるといいます。

また、分業の方法は「水平的分業」をすべきであるとしています。

 

フリードリッヒ・リフト(保護貿易)

発展途上国と先進国で自由貿易をすると先進国に途上国の産業が奪われるとして

発展するまでは自国産業を保護するべきだという「保護貿易」を唱えます。

 

彼は国の発展段階説も唱えていてその段階ごとに適した方法があるとしています。

カール・マルクス(社会主義共産主義)

彼の考え方は

①古典派資本主義の否定

貧富の差の拡大や恐慌時の対応など資本主義には問題があるという考え方です。

特に労働者が生み出した価値が資本家に搾取されているといっています。

ということから資本主義をやめて共産主義に移行すべきとしています。

 

社会主義

共産主義に移行するにあたりまずは社会主義を目指すべきとしています。

 

労働者中心にして資本家の搾取を無くします。

全ての人間に平等に富を分けます。

計画経済を行い無駄をなくします。

 

共産主義

完全に平等な社会にします。
カール・マルクス(社会主義・共産主義)

しかし、共産主義には問題がありました。

労働の質に関わらずに富を分配した事により頑張る必要性がなくなります。

これにより

 

努力の欠如、労働意欲の低下、消費者に寄り添わない、上昇志向の欠如

などが起きます。
共産主義の問題

結果として資本主義と比較した時に成長がありませんでした。

限界革命(新古典派)

アダム・スミスが唱えた労働価値説に対して

新古典派」によって効用価値説が唱えられます。

 

従来の労働量が価値である

に対して

水などの労働量が低く有用な物があるという考えを元に限界効用逓減説を作っていきました。

 

ビールは一杯目が一番おいしく。

その後、徐々においしさが減っていく様に

効用も一番初めが大きくその後徐々に減っていくという考え方です。

ジョン・メイナード・ケインズ(修正資本主義)

彼の考え方は

従来の政府は市場に介入すべきで無いという考え方から

不況時は政府の介入が必要であるという「修正資本主義」への転換を唱えます。

 

有効需要の原理

従来は供給が需要を生むと言っていました。

これを需要が供給を生むという考え方に変えました。

 

完全雇用

労働したい者は働けるようにすべき。

 

③不況時は政府が財政出動をして需要を作る

不況になると消費が減退して仕事が無くなり労働できなくなります。

この消えた消費を国家が肩代わりするという考え方です。

 

④国家は財政政策、財政制度、金融政策を行う。

財政政策によって公共事業を行いお金を配る。

財政制度で累進課税などを使って国民の格差を埋める。

金融政策で市場の金利やお金の量をコントロールする。
ジョン・メイナード・ケインズ(修正資本主義)

ミルトン・フリードマン(新自由主義)

彼の考え方は

①修正資本主義による財政赤字、インフレを批判

修正資本主義は始めるのは良いが止めようとしたり増税で政府の赤字を解消しようとする時に国民から批判がでます。

 

これにより財政赤字が膨らみました。

また、スタグフレーション(不況+インフレ)の時にばら撒きを行うとインフレがより進行してしまうという欠点もありました。

 

自由主義(アダム・スミスの時代)回帰

①の理由から「修正資本主義」止めてアダム・スミスの時代に戻ろうとい主張をします。

 

不況時は自己責任

国が運営している企業の民営化

規制緩和で自由な時代に戻ろうとします。

 

③通貨量コントロールは必要(マネタリズム)

アダム・スミスの時代に戻ろうとしているのですが

当時の国家が何もしない

というのが良いのかというとそうはいっていません。

彼の考えでは通貨のコントロールは経済に必要だとしています。
ミルトン・フリードマン(新自由主義)

自由主義の回帰が行われたのですが

ここで格差問題がまた出てきます。r>gの法則

トマピケティにより

世界中のデータを集めた結果

r>g

投資家が得る利益の方が労働利益よりも多いという事が明かされます。

これにより

富の再分配が問題になっています。

マルクス主義

社会主義が失敗したマルクス経済学ですが

現在では新マルクス主義が唱えられています。

 

①資本主義では格差拡大、環境問題を解決できない。

自身の国でクリーンエネルギーを推進してもそのエネルギーを作る途上国では結局環境に悪い事を行わなくてはならず意味がないという意見です。

 

②脱成長主義

③資源のシェア(共同管理)

格差を生む成長を諦め今ある資源を皆でシェアすべきという意見です。
新マルクス主義

全体の流れ

全体の流れ

経済学派の流れ

先程までは主要な人物を紹介してきましたが、彼らの思想に共感した者が学派を作り様々な理論が作られました。

下の画像は学派の流れになります。

経済学派の流れ

日本は豊かになる?アベノミクス3本の矢と新三本の矢[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、アベノミクスについて話をします。

 

 

アベノミクス三本の矢と新三本の矢

まずは、アベノミクスの三本の矢について説明します。

 

第一の矢:大胆な金融政策

中央銀行による金融緩和で通貨量を増やし「デフレマインド」払拭を狙います。

デフレに関してはこちら

 

通貨量の増減についてはこちら

 

第二の矢:機動的な財政政策

大規模な財政予算を使った支援により需要を作る。

供給>需要という「デフレギャップ」を緩和する効果があります。

デフレギャップについてはこちら

 

第三の矢:新成長戦略

規制緩和等によって企業や個人が実力を発揮できる社会へ

また、トリクルダウンにより稼いだ人たちから中小企業や民間に資金が流れて国全体が豊かに。

アベノミクス三本の矢
次に新三本の矢について説明します。

 

第一の矢:希望を生み出す強い経済

旧三本の矢を引き継ぎ強い経済を目指します。

 

第二の矢:夢を紡ぐ子育て支援

少子化問題解決に向けて支援を行います。

 

第三の矢:安心につながる社会保障

高齢化社会を見据え介護者を支援します。
新三本の矢

従来の経済に加えて少子高齢化対策にも手を出すようですね。

アベノミクス三本の矢の結果(個人的見解)

アベノミクス三本の矢」は一定の成果はありましたが実際にデフレ脱却までは出来なかったといわれています。

 

デフレは

企業利益が上がり難い

給料が上がり難い

購買力低下により物価を下げて販売数維持

 

この3つが相互作用してドンドン苦しくなる状態です。
デフレ

これを

企業利益が上がる

給料が上がる

購買力低上昇により物価が上昇しても売れる

 

というインフレ状態にしたかった訳です。

ここでポイントとなるのがすべての企業が利益が上がらなかった訳ではないという事です。

 

一言でいうと「一部大企業が儲かりました」

しかし、本来想定していた「トリクルダウン」が発生せずに中小企業までその恩恵がいかなかったといわれています。

 

ではどうして「トリクルダウン」が発生しなかったのでしょうか。

本来

大企業や大手メーカー側の「低価格で製造させて価格競争力を高めたい」

という思いと

下請け側の「労働報酬を多く貰いたい」

という思いがぶつかってお互いが納得できる適正価格が決まります。

大企業や大手メーカーと下請けの綱引き

しかし、ここで下請け側が強く出れない場合

大企業や大手メーカー側の方からは値上げの話は出てきてくれません。

 

なぜならオーナーである株主に

「利益を上げて企業価値を増やす」ことを求められているからです。

ですので無意味に下請けの報酬を増やして利益を減らす行動がとれない訳です。

 

そして、利益が上がらない下請けは社員の賃上げも出来ません。

本来であれはこちらでも

企業の「低賃金で製造させて利益を得たい」

という思いと

労働者側の「給料が増えてほしい」

という思いがぶつかってお互いが納得できる適正価格が決まります。
企業と労働者の綱引き

ですが、日本の労働者は企業側への賃上げ要求や転職をあまり行いません。

ですので企業側は圧力がかからない状態になっています。

 

しかし、賃上げ要求をしない労働者ですが低い給料の彼らは生活に困ります。

ですので今度は安くて性能の良い「高コスパ」商品を求める様になります。

本来は

消費者側の「高コスパ商品が欲しい」

という思いと

企業の「売り上げを増やしたい」

という思いがぶつかってお互いが納得できる適正価格が決まります。
消費者と企業の綱引き

しかし、無い袖は振れないので企業側は買える価格に値段調節するしかありません。

そうするとまた製造工程の下請けに値下げ要求が飛ぶ訳です。

全体の流れとしては下の様な綱引きが行われるはずです。
企業、下請け、労働者、消費者の綱引き

ですが、綱引きの強弱がハッキリしすぎていて正常な価格決定がなされていなかったと思われます。

 

ここまでの流れを聞いて

「でも大手では賃上げされたよね」

と思う方もいると思います。

 

ですが、大企業というのは企業全体の0.3%でしかありません。

労働者も全体の30%程度です。

 

30%が賃上げをしても70%が据え置きもしくは下がっている状態では日本全体が豊かさを感じる事は出来ないでしょう。
大企業と中小企業の会社数、労働者数、付加価値割合

なぜ下請けは強く出られない?

先程の説明の中で下請けが大企業や大手メーカー側に強く出られない場合の話をしました。

 

ではなぜ彼らの立場は弱いのでしょうか。

それは「デフレギャップ」が解消されなかったからだと思われます。

 

本来は、第二の矢の「機動的な財政政策」で需要をつくるという事が考えられていました。

 

しかし、途中で増税が行われ民間の購買力が低下。

結果として第二の矢では「デフレギャップ」を埋めきる事は出来ず

 

供給>需要

 

の状態でした。

需要よりも供給が多い訳ですから供給する企業は他社と競争して仕事を奪い合います。

結果として仕事をくれる大企業や大手メーカー側に強く出られなくなってしまったと思われます。

 

また、負けた企業を国が助けたことがより問題を深刻化させたという人もいます。

本来、企業がつぶれると供給能力が減って「デフレギャップ」が小さくなり競争が緩和していきます。

 

そこを助けて「ゾンビ企業」化させてしまった事で過酷な競争状態が続きより「ゾンビ企業」が増えてしまうという悪循環が発生してしまったという説です。

 

しかし、国としてはこれからインフレにして需要を増やそうとしている訳ですから製造能力を減らしたくなかったというのも理解は出来ます。

不景気と好景気は繰り返す!?経済循環の波の話(キチンの波、ジュグラーの波、クズネッツの波、コンドラチェフの波)[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、経済循環の波について話をします。

 

 

4つの経済循環の波

経済というのは

調子が良い「好景気」と

調子が悪い「不景気」を繰り返しています。

 

投資の世界では「セクターローテーション」「マーケットサイクル」という概念があり同じように景気の波の話なのですがそちらとはことなります。

 

経済学では4つサイクルがありそれぞれの需要と供給の波が繰り返されているといわれています。

4つの経済循環の波

その4つの波が

「キチンの波」「ジュグラーの波」「クズネッツの波」「コンドラチェフの波」

です。

キチンの波とは

「キチンの波」は2~4年周期で発生する「在庫サイクル」といわれています。

好景気の時は、良く売れるので商品をまとめて発注します。

まとめて発注する事によって規模の経済が働き安くなるからです。

しかし、商品が売れなくなってくると在庫が余るようになるので発注をストップして手元の在庫処理を行うようになります。

 

発注がストップするという事は製造の仕事が無くなるので不景気になるといわれています。

キチンの波

ジュグラーの波とは

「ジュグラーの波」は約10年周期で発生する「設備投資サイクル」といわれています。

設備が古くなり新しい物へ買い替える時期に好景気が来ます。

 

そして、皆の買い替えが一段落して、しばらく買う必要が無くなった時に不景気が来ます。
ジュグラーの波

クズネッツの波とは

クズネッツの波」は約20年周期で発生する「建設サイクル」といわれています。

建物が古くなり新しい物へ買い替える時期に好景気が来ます。

 

そして、皆の買い替えが一段落して、しばらく買う必要が無くなった時に不景気が来ます。クズネッツの波

コンドラチェフの波とは

コンドラチェフの波」は約50年周期で発生する「技術革新サイクル」といわれています。

 

近年では、IT革命により色々便利になりました。

この様な技術革新が発生して様々な物が便利に生まれ変わっていく時に好景気になります。

 

反対に技術革新が発生しないと買い替え需要が発生せずに不景気になっていきます。
コンドラチェフの波

コンドラチェフの波」は現在4回来ているといわれています。

一回目は「第一次産業革命」の時の蒸気機関

二回目は「第二次産業革命」の時の電信、鉄道

三回目は電気、化学、自動車

四回目はIT、原子力

といわれています。


4つのコンドラチェフの波

そして、今次の5回目の波が来ようとしている時期でもあります。

AIやIOTの時代なんていわれていますね。

日本政府は「Society」という概念で社会の変化を分類していたりもします。

社会の変化(狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会、次の社会)

バランスのいい攻めと守りの投資!!コアサテライト戦略[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、コアサテライト戦略について話をします。

 

 

コアサテライト戦略とは

「コアサテライト戦略」は

資産の70~90%を安定して成長していく事の出来る形で長期間持つ「コア投資」

資産の10~30%でより利益を求めた攻めの投資をしていく「サテライト投資」

 

この二つに分けるというコンセプトの投資戦略です。

ちなみに「サテライト投資」は臨機応変に銘柄を切り替えたりも出来ます。
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コアとサテライトの投資商品

次に「コア投資」「サテライト投資」両方の投資商品をみていきます。

 

コア側は

全米や全世界に良く分散の効いたETF投資信託、債券などになります。

 

これらに投資する際には「NISA」や「iDeCo」などの税制優遇を使う事をお勧めします。

 

サテライト側は

個別株、アクティブファンド、仮想通貨等

 

幅広い商品を自由に売買します。
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資産配分

先程、コア側は資産の70~90%という話をしました。

このパーセントは場合によっては変動する事もあります。

 

市場にリスクが多く守りを重視したい場合は90%と多くを守りの投資にする。

逆にリスクが少なく攻めを重視したい場合は70%と攻めを多くするといった具合です。

 

市場の状態を知りたい場合は「セクターローテーション」や「マーケットサイクル」を勉強してみるのも良いかもしれません。

他の投資戦略

債券が多めで安全性の高い投資であればオールシーズンズポートフォリオがあります。

投資を経験したことない方向けに無リスク資産を多めに組み込む戦略であればカウチポテトポートフォリオです。

暴落時に安心感があります。

株式などの資産は経済や金利の状況によって買われやすいモノ買われにくいモノが変わってきます。

そういった状況を考慮した投資をしたいのであればこちらの記事がオススメです。

資産が十分に増えたあとは、出口戦略を考えた投資を考えるのも良いかもしれません。

学習効率が上がる!?アクティブラーニングの話(アクティブラーニング、パッシブラーニング、ディープアクティブラーニング)[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、学習方法について話をします。

 

 

学習方法と学習定着率

最近は、学習方法の変化が行われています。

従来型の「講義形式」では学んだことを覚えておく「学習定着率」が低いといわれているからです。

 

この様に「学習定着率」が低い

講義(学習定着率5%)

読書(学習定着率10%)

視聴覚(学習定着率20%)

実演を見る(学習定着率30%)

を「パッシブラーニング」

 

逆に「学習定着率」が高い

グループ討論(学習定着率50%)

自ら体験(学習定着率75%)

他人に教える(学習定着率90%)

を「アクティブラーニング」

 

といい区別しています。

学習方法と学習定着率

こう聞くと

「アクティブラーニング」が良くて

「パッシブラーニング」が悪いと思われますが

場合によって良し悪しがあるともいわれています。

 

「パッシブラーニング」には

①教える側がまとめた(関連性のある周辺情報等)を学べる

②大量の知識や内容を効果的に伝達するのに優れる

③学習内容(自身の興味)等によって学習の質が大きく異なる

④教える側の能力(伝える力)にも依存する

 

といった特徴があるとされています。

こう見ると関連性のある情報をまとめて大量に学べる為、その後の学習の基礎になる部分を学ぶのに適しているともいわれます。

 

「アクティブラーニング」にある「グループ討論」もある程度とっかかりになる知識がないと中々難しそうです。

 

しかし「アクティブラーニング」では経験する場を用意する必要があり、経験にかかる時間も必要です。

 

そういった場合に予めある程度の知識を「パッシブラーニング」で与える必要もでてきます。

アクティブラーニングの分類

「アクティブラーニング」と一言でいっても色々と種類があります。

 

知識の習得に適しているといわれる

グループ学習

授業外学習

演習、実験、調査

 

知識の応用に適しているといわれる

問題基盤学習

シミュレーションゲーム

ケースメソッド

 

知識の表現に適しているといわれる

プレゼンテーション

レポートライティング

ディベート

 

知識の活用、創造に適しているといわれる

プロジェクト学習

フィールドワーク

実習
アクティブラーニングの分類

自主性が育たないアクティブラーニングのやり方

「アクティブラーニング」は学習者が主体になって能動的に学ぶ学習手法です。

しかし、やり方によっては学生の自主性が育たない場合があるともいわれています。

 

それが、教師による過剰な指示です。

「グループディスカッション」を行わせて自主的に学ぶ場を作っても

 

教師側が

そうじゃない、こうしなさい、こういう意見も議論しなさい

と指示を与え続けると学習者側は教師側の顔色を窺い無難な行動をとるようになります。

 

これでは、自主性は育まれませんし自由に自分の意見がいえなくなります。

(空気を読む能力は育ちそうですが)

自主性が育たないアクティブラーニングのやり方

ディープアクティブラーニング

現在では「アクティブラーニング」の次の学習方法として「ディープアクティブラーニング」が提唱されています。

 

従来は、学びの方法についての話でしたが「ディープアクティブラーニング」はより深い学びにもフォーカスします。

 

深い学びは

①既存知識との関連付け

②原理原則を探す

③根拠を持ち結論と関連付ける

④論理、議論を批判的に検討

⑤自身の成長を実感できる

⑥学びの内容に関心を持てる

 

この6つが揃った学びだといわれています。

学習者側のモチベーションにも気を使っているのが分かります。
ディープアクティブラーニング

学習方法を突き詰めてもやる気がないと学べないのだと思われます。

人材のグローバル化

最近では、学校もグローバル化して海外の学校に行く子供も増えています。

そうした中で日本の教育もより良い形へ変わっていかなくてはならないとも言われています。

 

海外と優秀な学生の奪い合いになっている訳です。

「子供を出来るだけ良い環境で学ばせてあげたい」

と思っている親もいますし

 

社会に出たら

「世界との競争」

が待っているので良い知識を持ちたいと思うのも自然だと思われます。

 

そんな中で日本の教育への改革が進んでいる訳ですね。
人材のグローバル化

社会人の学習はインプットとアウトプットが大事

今までは学校教育について話してきました。

ですが社会人も勉強し続けなくてはいけません。

 

では、どの様に勉強するのが良いのでしょうか

よく言われるのはアウトプットを前提にしたインプットです。

 

講義や読書によって情報をまとめて大量に学び

他人に教える事で学習の定着率を高めます。

学習方法と学習定着率

この2つを行う事で効率よく学習できます。