ブームは繰り返す?景気と金利とセクターローテーション[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、景気と金利とセクターローテーションについて話をします。

 

似たような考え方にクレジットサイクル(信用サイクル)があります。

こちらも同時に学ぶことでより景気について理解できる様になると思います。

 

相場の4状態

金融相場では4つの状態をローテーションしているといわれています。

その4つというのが

 

①業績相場(好況期)

景気が良くインフレが進行します。

大きなインフレが起こると中央銀行金利を大きく増やして景気の引き締めを行います。

この時に株価もピークを迎えます。

 

②逆金融相場(後退期)

中央銀行金利を増やして景気が落ち込んでいく相場です。

インフレにピークが来て株価が大きく落ちます。

 

③逆業績相場(不況期)

インフレがピークを迎えたことで中央銀行金利を減らして金融緩和が始まります。

このタイミングで株価が底打ちします。

 

④金融相場(回復期)

金利が下がったことにより景気が回復します。

このタイミングでデフレのピークを付けます。

 

この4つの状態をぐるぐる回っているという考え方です。

 

セクターローテーション

先程は景気と金利に合わせて4つの状態が回っているという話をしました。

投資の世界ではこの4つの回転に合わせて投資対象を変える「セクターローテーション」という考え方があります。

セクターローテーション

「業績相場」では消費が活発になりドンドン消費されるので消費にかかわる株が好まれます。

製造業、素材、消費財関連株が良いとされています。

 

「逆金融相場」では景気と株価が下がるのでしっかりと利益の上がっている企業や安全通貨に投資します。

エネルギー関連株が良いとされています。

 

「逆業績相場」では相場が落ち続けて底打ちする所まで行きます。

ですのでディフェンス株が好まれます。

通信、ヘルスケア、生活必需品、公共株が良いとされています。

 

また、金利が下がり債券価格が上がるので

債券も良いとされています。

 

債券に関してはこちら

 

「金融相場」では景気が良くなり成長できる株に投資が好まれます。

ハイテク株が良いとされています。

この後金利が上がるので銀行系、株が上がるので金融系も良いとされています。

また、金利が低いので不動産も面白いと言われています。

セクター別ETF

中間反騰と中間反落

「逆金融相場」から「逆業績相場」へ移る時に今まで景気のネックになっていた金利が下がります。

これにより下落相場が一時的に反発します。

 

「金融相場」から「業績相場」へ移る時に今まで景気を後押ししていた金利が上がります。

これにより上昇相場が一時的に反落します。

新興国への影響

新興国は先進国の影響を大きく受けます。

景気が弱くなる「逆業績相場」では大きく混乱します。

逆に景気が強くなる「金融相場」では大きく回復します。

株の先行性

先程は相場の状態と投資対象について書いてきましたが、ここで難しいのが相場の先行性です。

基本的に株や債券は実体経済に対して先行して動きます。

 

株の場合、だいたい半年から1年程先行して動くといわれています。

その次に早いのが長期金利です。

この次にやっと来るのが実体経済

そして、その実体経済を見て国が政策金利を変動させます。

株の先行性

こういった特徴がある為、株や長期金利は先走って行き過ぎたり景気が悪いのに上がりだしたりします。

セクター別企業

業界の栄枯盛衰!!破壊的イノベーションとコモディティ化[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、破壊的イノベーションコモディティ化について話をします。

 

イノベーション自体について知りたい方はこちら

 

 

破壊的イノベーション

「破壊的イノベーション」はその産業構造をガラッと変えてしまう技術を指します。

既存の概念にとらわれずに新たな価値観を生み出す変化になります。

反対の言葉として「持続的イノベーション」というのがあり、こちらは既存の商品価値の向上を目指して進化させていく「改善」「改良」の変化を指します。

 

「破壊的イノベーション」の特徴としては従来の価値基準では従来商品に及ばないがいくつかの優れた特徴を持つ製品であることです。

特徴は「低価格、シンプル、使いやすさ」であることが多いとされています。

 

黎明期は新しい特徴に惹かれた一部ユーザーのみが顧客になります。

後に「持続的イノベーション」が働き従来の価値基準で評価される技術も向上していきシェアを大きくしていきます。

 

従来商品も技術の向上を行いますが、ある程度進むとオーバースペックになり違いが顧客に分からなくなっていきます。

破壊的イノベーション

破壊的イノベーションは外からやってくる

「破壊的イノベーション」は従来の市場の外からやって来るといわれています。

 

なぜかというと

従来製品は「持続的イノベーション」が進み効率的に生産できる様になっています。

新製品は当たるかどうかの見極めが難しく効率化が進んでいない更に黎明期は一部ユーザーしか買ってくれません。

ということで「破壊的イノベーション」への投資がなかなか正当化出来ない為といわれています。


破壊的イノベーションは外からやってくる

コモディティ化

コモディティ化」は製品やサービスの「性能、品質、創造性、ブランド力」に大差が無くなり顧客から見た時に同じような製品が並んでいる様に見える状態です。

 

例を挙げると

①日本企業が「持続的イノベーション」でガラケーを改良。

②アップルが「iPhone」で「破壊的イノベーション」をおこす。

Googleが「AndroidOS」を出してスマホが世界中で作られる様になり「コモディティ化

 

といった感じです。
コモディティ化

コモディティ化の要因

コモディティ化」が発生する要因は色々あるとされていますが、良くあるのが

 

①技術が広まったことによる陳腐化

②パーツを他社から買う事で他の会社と同様の性能に

③特許切れによる模倣

④規格や仕様が広まったことによる同一化

⑤基準や法制度による同一化

 

などです。
コモディティ化の要因

コモディティ化へと向かう3プロセス

「アバーナシー・アタ∸バックモデル」では、「コモディティ化」へ向かうプロセスを3つの段階で分けています。
コモディティ化へと向かう3プロセス

1つ目の段階が「流動段階」です。

「破壊的イノベーション」の新しい特徴に惹かれた一部ユーザーのみが顧客になっている状態からシェアを伸ばしていく間の期間です。

 

製品が出たばかりなので試行錯誤で「製品のイノベーション」が発生しやすいです。

この期間はシェアが少なく利益も無いので競合他社が注目していません。

 

2つ目の段階が「移行的段階」です。

製品にとって重要な「機能、性能」が出そろいシェアが拡大していく段階です。

 

「持続的イノベーション」が働き「生産のイノベーション」が発生しやすいです。

この期間は利益が大きく競合他社が参入してきます。

 

生産性のイノベーションについてはこちらも参考になります

 

3つ目の段階が「特定段階」です。

「持続的イノベーション」により生産が最大化された状態です。

 

コモディティ化」が発生して価格競争が激化します。

競合他社が増えたことで利益は落ちます。


プロダクトライフサイクル

コモディティ化市場での競争

コモディティ化」が発生すると競争が激化します。

では、その競争はどの様に行われるのかを説明します。

 

①他社にない機能や性能で差別化

②価格を下げる事で魅力アップ

③購入できる場所を増やす

④保障や修理によるアフターサービス

⑤CMなどによる宣伝やイメージアップ
コモディティ化市場での競争

中心産業の変化&分類と働き方の多用化[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、産業の変化と分類について話をします。

 

 

コーリンクラークの産業分類

コーリンクラークは産業を3つに分類しました。

農業や漁業など資源を生産する「一次産業」

製造業や飲食など資源を加工する「二次産業」

その他の産業が該当する「三次産業」

です。
コーリンクラークの産業分類

中心産業の変化と労働者

一次産業

高度経済成長以前の日本では「第一次産業」が経済の中心でした。

その後、1950年ごろから電化製品が出てきて「二次産業」中心の経済に変わっていきます。

 

やがて、自由貿易が活発になってくると海外から安い輸入品が入ってくるようになり国内の「一次産業」が大きな打撃を受ける様になります。

 

現在では高齢化や後継者不足になっている反面、農業を中心に生産だけで無く経済面での改善を狙った「アグリビジネス」やテクノロジーによる自動化など再注目されています。

 

第二次産業

テレビや洗濯機の登場により日本の経済の中心は「二次産業」になりました。

車を始め様々な商品を輸出していましたが、人件費の安い海外に工場を移転していったため国内の「二次産業」が大きな打撃を受ける様になります。

 

現在でも日本の製造業には高い技術を持った企業が存在していますが、若い世代の労働者が不足していて技術の継承が問題になっています。

 

また、IT化により製造業の巻き返しを狙おうとする動きも注目されています。

 

第三次産業

国民が趣味や娯楽にお金を使うようになりグルメや観光などの娯楽が発展して「三次産業」が発展していきます。

スマホの普及によりIT分野が大きく伸び経済の中心になっていきました。

 

しかし、「三次産業」は業種が多い為、ITや医療など人気の高い業種と一部のサービス業の人手不足の業種で分かれています。

中心産業の変化と労働者

1次産業の6次産業化

第一次産業」の持っている価値を高める為に従来の「生産」だけでなく「加工」や「販売」までを行おうという試みです。

 

上手くすればブランド価値を出せますが、全てを自分たちだけで行うのは非常に難易度が高く苦戦している所も多いようです。

 

また、「三次産業」部分をSNSやユーチューブ化して販売以外の収益を得ている方たちもいる様です。
1次産業の6次産業化

社会の変化

我々の社会は、狩猟社会から始まって

農耕社会、工業社会、情報社会と進化してきたといわれています。

そんな中で次に注目されているのがAIやIoTによるスピード型社会です。

社会の変化(狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会、次の社会)時代が進むと前時代の働き方にも影響するテクノロジーが出てきたりするので他業種の方も注目してみると良いかもしれません。

 

社会の変化による働き方の変化についてはこちら

 

色別職業

先程まではコーリンクラークの産業分類で見てきました。

ですが、現在では他にも「ブルーカラー」や「ホワイトカラー」という分類でも職業を分類しています。

色別職業

ブルーカラー

製造業や建設業など生産現場などで働く作業者技術者を指します。

肉体労働者が青い襟の作業服を着ていたことから使われ始めました。

 

ホワイトカラー

デスクワーク中心の企画職や総務など指します。

白いワイシャツを着ていたことから使われ始めました。

 

グレーカラー

ブルーカラー」「ホワイトカラー」の中間に立ち両方の業務に関係していたりします。

 

グリーンカラー

林業自然エネルギーなど環境に関係する業務を指します。

 

ピンクカラー

看護師や保育士など女性のつく職業を指します。

 

メタルカラー

AIを活用したロボットなどの高度な技術を使用する職業を指します。

 

ブラックカラー

「裏社会、非合法」系の組織やブラック労働を行う様な職業を指します。

 

オレンジカラー

趣味を仕事にしている方たちを指します。

 

シルバーカラー

介護や老人ホームなどシルバー世代を相手にする職業を指します。

 

ゴールドカラー

会社の上下関係を意識せず自分で仕事を作り出し結果を出します。

自分のキャリアを延ばす為には独立や転職なども積極的に行います。

 

レッドカラー

奴隷の方たちを指しています。

現在では使われていません。

労働集約型、資本集約型、知識集約型産業[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、労働集約型、資本集約型、知識集約型産業について話をします。

 

 

 

資本集約型産業と労働集約型産業

まずは、資本集約型産業と労働集約型産業の違いについて見ていきます。

 

事業活動の大部分を労働に頼っていて売り上げに対する人件費の割合が多いのが「労働集約型産業」です。


それに対して事業活動の大部分を生産設備に頼っているのが「資本集約型産業」になります。(装置産業という場合もあります)

資本集約型産業と労働集約型産業

資本集約型の場合は、

大規模な設備投資をすると収益が増えます(初期投資大)

維持管理費をかければ生産を続ける事ができます(ランニングコスト小)

機械化が進んだ工場やインフラ整備などが該当します。

 

労働集約型の場合は、

人を雇う事で収益が増えます(初期費用小)

人件費を払い続ける事で生産を続ける事ができます(ランニングコスト大)

接客やアニメーターなど人の労働が重要な価値を生み出す産業が該当します。

機械化と産業の変化

「労働集約型産業」は、機械化やAI化が進むことで「資本集約型産業」に変わっていきます。

 

この機械化、AI化は現在非常に注目されていて「資本集約型産業」がドンドン拡大しています。

機械化と産業の変化

新産業の誕生とコモディティ化についてはこちら

 

知識集約型産業

「労働集約型産業」が「資本集約型産業」へ変わっていく中で機械に仕事を奪われない技術を持った職業として「知識集約型産業」が注目されています。

 

「知識集約型産業」は「労働集約型産業」と同じく人による労働が重要になります。

特殊な技術を持つ為機械での代替が難しく付加価値がつけやすい産業です。

研究機関や情報業、ソフトウェア開発、一部デザイン業も含まれます。

 

※日本では、代替が難しい特殊技術を持っていても付加価値が認められずに安い給料を貰っている人たちもいます。彼らはこの「知識集約型産業」には含まれません。彼らの労働価値が認められる社会になってくれる事を願います。知識集約型産業

最近では、AIの進化によりイラストやプログラム生成もされる様になってきているのでこの「知識集約型産業」とされていた分野でも職が奪われるという懸念が出てきています。

 

この事から技術を複数持つことの重要性が分かります。

「ジョブ型雇用」が議論され技術の重要性がより増しているので注意が必要です。

 

「ジョブ型雇用」や複数技術を身に着ける重要性についてはこちら

資本集約型と知識集約型の2極化時代

機械化やAI化が進むと代替が容易な「労働集約型産業」が無くなっていきます。

先進国では少子高齢化労働人口が減っている為、機械に任せられるところは任せて出来ない「知識集約型産業」を労働者に任せるという形にならざるを得ません。

 

便利な機械を使いこなして持続可能な社会を目指したい所です。

次の時代

我々の社会は狩猟社会から始まり

農耕社会、工業社会、情報社会へと進化してきました。

それに合わせて中心産業も

労働集約型、資本集約型、知識集約型へと

変化してきたと考えられます。

社会の変化(狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会、次の社会)

そして、次の社会ではAIやIoTなどを使ったスピード型の社会が来るともいわれています。

 

日本における中心産業の変化についてはこちら

新NISAってお得?NISAの解説と変更点[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、新NISAについて話をします。

 

NISAを知らない方にも分かるようにしていますので変更点を知りたい方は目次で飛ばしても良いかもしれません。

 

iDeCoについてはこちら

 

 

NISAの利点

NISAの利点は税金の免除です。

株式を売った時の売却益や配当金にかかる20%の税金をゼロにできます。

NISAの利点

また、NISA枠は一人一人に存在します。

ですので、夫婦で2枠、おじいちゃんやおばあちゃんで更に2枠という風に増えていきます。

 

また、子供に関してはNISAを使う事が出来ませんがジュニアNISAを使う事で投資の税金免除枠を増やす事が出来ます。
NISA家庭内で1人ずつ枠がある

複数の枠を使う場合それだけ余剰資金を用意する必要があります。

家計の見直しも考慮に入れるのも良いかもしれません。

 

家計の見直しはこちらでも書いています。

従来NISA

従来のNISAは「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3つに分かれています。

従来NISA

一般NISAは株式、ETF投資信託REITなど様々な投資商品に自由に投資する事が出来ます。

非課税期間が5年で年間120万円まで投資できます。

 

つみたてNISAは厳選された投資信託を積立投資でコツコツ増やしていく事が出来ます。

出来る事が少ない反面非常に分かりやすく積立による時間分散が効くので初心者から上級者まで幅広い方に好まれています。

非課期間が20年で年間40万円まで投資できます。

 

ジュニアNISAは一般NISAと同じルールで投資できます。

非課期間が5年で年間80万円まで投資できます。

 

また、「一般NISA」と「つみたてNISA」については併用が出来ません。

「ジュニアNISA」とは併用できます。

新NISA

次に2024年から始まる新NISAについて見ていきます。

新NISAは「積立投資枠」「成長投資枠」に分かれます。

この2つの枠は従来NISAの枠とは別に設定されるので2023年までに投資した分は気にする必要が無いのも嬉しい所です。
新NISA

「積立投資枠」は従来の「つみたてNISA」と同じように投資する事が出来ます。

変更箇所は

非課税期間の無期限化

年間非課税枠が120万円

大利用可能枠が600万円

 

「成長投資枠」は従来の「一般NISA」と同じように投資する事が出来ます。

変更箇所は

非課税期間の無期限化

年間非課税枠が240万円

大利用可能枠が1200万円

 

そして、この「積立投資枠」と「成長投資枠」は併用する事が出来ます。

積立投資(ドルコスト平均法)の良し悪し

先程から積立という言葉が出てきました。

この積立というのは、どの様な利点があるのかを見ていきます。

 

仕組みとしては一定期間毎に同じ金額で投資をする方法です。

同じ金額なので相場が悪くなり値段が下がるとより多く買えます。

逆に値段が上がると少ない数を買う事になります。

 

これにより長期的に見た時に

「高額で買った少しの株」

「少額で買った多くの株」

という風になっていきます。

 

逆に弱点になるのが成長する株を安い時に買う場合です。

株価がドンドン右肩上がりで上がる場合は今の値段が一番安くなる場合があるのでその場合は一括で買ってしまった方が良い訳です。


積立投資(ドルコスト平均法)

投資枠の再利用

次に新NISAの投資枠について補足します。

新NISAでは、「積立投資枠」で600万円「成長投資枠」で1200万円まで投資枠があるという話をしました。

 

しかし、この投資枠は株式を一度売る事で翌年に復活します。

ですので仮に投資枠を全て使っていても利益のあまり見込めない株を売る事で翌年に有望株を仕込むという事ができます。投資枠の再利用

一般NISAの繰り越し問題

2024年に新NISAに変わる訳ですが、その時にネックになるのが一般NISAの繰り越し問題です。

 

一般NISAは非課税期間が5年しかありません。

しかし、5年たった株を次の年に使える一般NISA枠へ移動する事で非課税期間の延長をする事が出来ます。

 

なぜこのような事をするのかと言いますと損失がある状態で非課税期間の延長をせずに一般口座や特定口座に移動させるとNISAの非課税メリットを受けられないからです。

そして、NISAを使わなかった場合と比べて税金面で不利になります。

 

ですので、一般NISAでは5年経って損失がある場合は繰り越しをしていた訳です。
一般NISAの繰り越し

ここで問題になるのが新NISAが始まり一般NISAが終わる事でこの繰越が出来なくなる事です。

この状態で5年が終わると一般口座や特定口座に移されて損失がある場合に税制不利になります。

日銀の金利上下幅拡大(実質利上げ)と市場への影響[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、日銀の金利上下幅拡大について話をします。

2022年12月20日に日銀が10年利回りの金利幅を拡大しました。

 

しかし、黒田総裁の話が複雑で分からない部分も多かったと思います。

今回の記事ではそういった部分の解説になります。

 

 

日銀の金利上下幅拡大

金利幅拡大の話をする前に債券価格と利率のおさらいをしましょう。

債券による配当は固定で決まっています。

それに対して債券価格が売ったり買ったりされることで変動し利率が決まります。

債券価格と利率
この話は以前にもしているので詳しく知りたい方はこちら

では、次に金利幅の拡大に関してです。 

まず、日銀は10年債の誘導目標金利を0にしています。

しかし、ピッタリ0を維持する事は出来ないので上下に0.25%程幅を持たせるという事をやってきました。

 

その上下0.25%を5%に引き上げるというのが今回日銀がやった事になります。

10年債金利の上下幅拡大

何で上下幅を拡大したの?

次に「日銀がやった事は分かったけど何でそんな事をやったんだ?」ここを解説します。

 

まず、この話をする前にイールドカーブについて説明する必要があります。

イールドカーブというのは下記の画像の様な物をいいます。
f:id:Yukidoke:20221221191436j:image

横を日本国債の1年債、2年債・・・40年債という風に並べて縦に利率を置いています。

画像にも書いていますが10年債の部分が歪んでいて9年債よりも利率が低くなっている事が分かると思います。

 

何でこうなっているかと言いますと

アメリカを始めとした各国が利上げをしている事で日本の利率も上昇した。

10年金利に関しては0.25以下になる様にコントロールし続けた。

 

これによってイールドカーブが歪んでしまいました。

こうなってしまうと市場は10年国債を買うよりも他の国債を買った方が時間対効果が高くなりますので10年国債の取引が市場で成立しない日が発生していました。

 

この歪みを消して市場機能の回復を目指したのが上下幅拡大になります。

市場機能が無い場合、国が借金をする際に日銀が円を増やして買い取る形になると思われます。

すると円が増えた分、円安になる訳ですね。

市場機能があれば市中に出回っているお金で国債を購入してくれますので円安にならずに国の借金を増やすことが出来ます。

 

こういった選べる手段を残しておこうというのが今回の行動だと思われます。

ちなみに金利を0.5%にする事で下の画像の様にして歪みを無くそうとしています。

f:id:Yukidoke:20221221184300j:image

このイールドカーブの正常化をする際に10年債以外の国債もコントロールする様です。

市場への影響

10年債の金利を引き上げた後金利は58.2%上がって0.405まで急騰しました。

無理やり金利を抑えていたのでそれが消えれば当然上に行きますよね。f:id:Yukidoke:20221221183417j:image
次にドル円の影響を見てみます。
こちらは、4円ほど下がって132円まで下がっています。

f:id:Yukidoke:20221221183250j:image

なぜ円高になるかというと

元々、日米の金利差が多かったので日本円で資産を持っておくよりもドルに変えて高金利を貰おうという人たちがいました。

それが、今回の実質利上げで金利幅が少なくなり巻き戻ったという形だと見ています。

 

ここら辺の話はこちらで詳しく話しています。

次に株価です。

国債金利が上昇すると「安全な国債でいいじゃん」ということでリスク商品が売られるというのが基本です。

 

今回もこの基本道理に株価やREIT何かが下がってました。

 

日経は2.46%下落

f:id:Yukidoke:20221221183452j:image

TOPIXは1.54%下落
f:id:Yukidoke:20221221183500j:image
マザーズは4.71%下落f:id:Yukidoke:20221221183234j:image

やはり借金が多い新興企業のマザーズが大きく下がっています。

逆に銀行株や保険株は上がっています。銀行と利息

彼らは短期国債基準の利息を払って長期国債基準の利息を得ているからです。

 

今回の様に長期国債が上がると利益も増えるわけです。

住宅ローンへの影響

住宅ローンには固定金利と変動金利がありそれぞれ見ている国債が違います。

固定金利は長期国債

金利が高いかわりに契約時の金利で固定される訳ですね。

変動金利は短期国債

金利が低いかわりに変動するリスクがある訳です。

住宅ローンと金利

今回問題になるのは10年債なので長期金利になります。

つまり固定金利側の問題になります。

また、固定金利の場合は既に契約している場合そのまま固定されるのでこれから固定金利で契約する場合に問題になる訳です。

 

詳しい情報はこちら

日銀の政策変更、住宅ローン金利への影響は?変動金利と固定金利の動向をショート解説(2022.12) | モゲチェック

なんで金利が上がると苦しくなるの?アメリカ国債金利と世界への影響[画像で簡単に分かりやすく解説]

こんにちはユキドケです。

今回は、国債金利と他の債券への影響について話をします。

 

 

債券価格と利率の関係

まずは、債券について理解をしましょう。

債券は、国や企業等がお金を借りた時に発行されます。

 

そして、その債券を買った人が定期的に金利を貰い最終日に貸していた分のお金が返されます。

 

借金が経済に及ぼす影響についてはこちらで書いています。

 

次に金利の決定方法を見ていきます。

債券は初めにお金を貸す際に定期的に支払われる金額が設定されます。

この時に決定された金額は変動しません。

 

では、なぜ国債金利が上がった(下がった)という様な話が出るかというとそれは債券自体の価格が変動するからです。

 

支払われる金額が100円

債券価格が1万円

の場合利率は1%ですが

価格が2万円になると0.5%に変動するという形です。

債券価格と利率

新しく発行する債券(新発債)の利率が上がった場合

 

既存の債券(既発債)を持っていた人達が利率の高い新発債に乗り換えます。

既発債は売られるので値段が下がって利率が上がります。

 

このように債券価格が変動している訳です。
f:id:Yukidoke:20230811103302j:image

国債社債金利関係

債券は、国債の他にも企業が発行する社債も存在します。

では次にこの2つの金利関係はどの様になっているかを見ていきます。

 

まず、全ての基本になるのが国債金利です。

国が発行している為、最も信頼性が高い事が特徴です。

 

なので、基本的には国債と同じ条件で他の債券を発行しても

「条件が同じなら安全な国債でいいじゃん」

となってしまいます。

 

つまり、国債以外の債券はリスクがある分追加でリターン(金利)を用意する事になります。

このリターンをクレジットスプレットといいます。
国債と社債の金利関係

上記の画像にある様にアメリカの債券を安全な順に並べると

米国債」「米地方政府債」「投資適格社債」「ジャンク債(リスクが高い社債)」となっておりクレジットスプレットも同じ順番で増えていきます。

短期債と長期債

また、リスクは貸出期間によっても変動します。

アメリカ国債は1ヶ月債、3ヶ月債、6ヶ月債、1年債、2年債、5年債、10年債、30年債など様々あります。

 

基本的には貸出期間が短い程低リスクだといわれています。

貸している期間が短い方が将来の予測も付きやすいですし、もっと良い投資先が見つかった場合そこに乗り換える事も出来ます。

こういった臨機応変な対応は長期債では難しいです。

短期債と長期債

また、経済が混乱している時には短期金利長期金利の差が逆転する逆イールドが発生する事があります。金利の変化

この逆イールドを景気後退や株式調整のシグナルとして注目している人もいます。

逆イールド

また、逆イールドの後は

長期金利<短期金利」から「長期金利>短期金利

に正常化するので

その際は短期国債が有利に動きます。

モーゲージ債(アメリカ)

次に住宅ローンを使った債券、モーゲージを見ていきます。

まず、家を建てたい人が住宅ローンを組みます。

その後、彼らの債券をまとめて政府系証券発行体へ渡し証券化

市場で投資家へ売る。

 

という流れになります。
モーゲージ債(アメリカ)

先程の話の流れから考えると個人の住宅ローンは社債よりも更にリスクが大きそうに思えますが、証券化する際に政府系の機関が入り元利払い(定期的な支払)を保証してくれているので国債に次ぐ位の信頼性があるという意見もあります。

 

では、信頼性があるから金利は低いのかというとそうでもありません。

住宅ローンは、将来支払う金額を早めに返すことで金利の支払回数を減らす事が出来ます。

 

この当初考えていたよりも金利が払われないという「期限前償還リスク」があるのでその分金利が多く設定されています。

資産毎のリスクとリターン

リスクとリターンは基本的に比例します。

一時的には低リスク高リターン商品が出たとしても発見されて購入されることで価格が上昇しバランスがとられます。

 

高リスク高リターン商品は

仮想通貨、FX、先物等といわれています。

 

中リスク中リターン商品は

株式、不動産、REITETF投資信託等といわれています。

 

低リスク低リターン商品は

債券、外貨預金、金、預金等といわれています。

資産ごとのリスクとリターン

次に各種社債と株式のリスクリターンを見ていきます。

 

会社が倒産した時の優先救済順位は

①担保付社債

普通社債

劣後債

④優先出資証券

⑤株式

の順になります。

 

また、期待リターンと価格変動リスクは

①担保付社債

が低く

⑤株式

が高くなります。

債券と株のリスクリターン

金利と資産

国債金利が上がると他の資産の価値が下落します。

「リスクのある株や不動産を買わなくても安全な国債で十分利益が出るよね」

といった感じです。

 

特に借金が多い会社程、利上げ時の負担がより多くなるのでリスクが多く見積もられます。
国債金利と資産運用

また、金利が上がる事で社債モーゲージ債の金利も上がってしまい借金をするのが厳しくなり倒産やリストラのリスクが発生します。

金利と景気

金利とインフレ

一般的にはインフレ率が金利を上回っていると信用創造が進みやすいといわれています。

 

1年で値段が5%上がる(1年後に購入すると100万の商品が105万に)

1年で金利が3%発生(1年後に借金返済すると100万の借金が103万の支払いに)

という場合であれば

 

お金を貯めて1年後に購入するよりも金利を払ったとしても今購入した方がお得になります。

この事からインフレ率>金利

の場合信用創造が進みやすいといわれています。

 

逆にインフレ率<金利

だと信用創造はおこりにくいといわれています。

金利とインフレ

金利とインフレについてもっと詳しく知りたい場合はこちら

景気と会社格付け

景気が悪くなると企業は売り上げを維持するのが困難になります。

そうすると会社の状態が悪くなり格付け会社は会社のランクを下げます。

 

会社のランクが下がると借金をする際に「ジャンク債」扱いになり債券の金利も多くなってしまいます。

景気と会社格付け

社債国債による金利の影響を受けますがそれと同時に

会社の業績からも影響を受ける訳です。

社債と会社

銀行と金利

銀行はお金を短期(低金利)で借りて長期(高金利)で貸しています。

そして、この2つの金利差が利益になっている訳です。
銀行と長短金利差

しかし、短期金利が上昇して既に貸し付けている金利を上回ると逆ザヤになり損失が発生します。

 

借りる金利より貸す金利が低いのでその差分が損失になります。

 

しかし、銀行金利短期金利よりも動きが遅れたり同じ水準まで動かなかったりします。
銀行の逆ザヤ

次は低金利政策について見ていきます。

 

金利を低下させて短期金利が長期より多く下がる為「金利差」が拡大して銀行の貸出意欲が上がります。

借り手側も金利が安くなると借りやすくなる為信用創造が起こり易いといわれています。

 

しかし、銀行の場合は一般人への預金金利をゼロに出来ません。

預金金利が下がらずに長期金利だけが下がる場合「金利差」が縮小して銀行の貸出意欲が下がります。

 

同じ努力をしても儲けが少なくなるので

貸し出しをやめてより儲かる何かを行おうとする訳です。

銀行の低金利

また、逆イールドが発生すると金利差が逆転して儲からなくなります。

 

そうなるとリスクのある企業への貸し渋りがおきてしまいます。
銀行と貸し渋り

金利上昇局面では、高く貸し付けられるので銀行の業績は良くなりやすいですが、債権を持ってる場合、利上げ時に価値が下がるので一時的にリスクがあるといわれることもあります。

米国の利上げと世界

米国債が利上げをすると世界の様々な国も利上げします。

利上げをしないと通貨価値が落ちてしまうからです。

ここら辺の話はこの記事で説明しています。

 

簡単に言うと

金利の低い国でお金を借りて高い国に貸す」

事で差分の利益が出るからです。

 

話を戻して

米国で利上げをする=世界が利上げをする

という事は

 

世界の社債、株、不動産などの資産が下がり世界的な不況になる訳です。米国の利上げと世界

債務上限引き上げと金利

アメリカでは債務(借金)に上限が決められています。

上限に到達して更に資金が必要になった場合に債務上限の引き上げが発生します。

 

この際、新しい債券が発行される事により市場から資金の回収が発生します。

基本的には、債券が増える事により一時的に価格が下がり金利が上がり易いといわれています。
債務上限引き上げ

日本の場合は債務上限がありません。

また、債券の発行の際に金利が大きく動くと日本銀行が通貨発行を行いその通貨で債券を買い支えるという金融政策を行います。

日本の債券発行と金融政策

リスク増大と安全資産

戦争や大災害などが発生するとその国に関わる資産(債券、株、不動産等)のリスクが大きく増えます。

 

そうした資産はリスクを回避する為に売られて逆に安全な貴金属、宝石類、安全通貨、米国債等に移動しやすいという特徴があります。
リスク増大と安全資産

 

安全通貨についてはこちら

金利(借金)と経済サイクル

金利は景気に連動して動く特徴があります。

ですので、この景気と金利の関係を使って経済のサイクルを見るという考え方も存在します。

 

その一つがクレジットサイクル(信用サイクル)です。

信用の拡大と縮小と経済の状態を表すサイクルです。

より詳しい説明はこちら

次はセクターローテーションです。

金利の上下と経済の上下で4つの状態に分かれてループしているという考え方です。

時期によって、有利な投資セクターが変わります。

より詳しい説明はこちら